大の視点/SHIFTの存在意義「業を企てる人を育てる」

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SHIFTのみなさん

お疲れさまです、丹下です。
先ほどの「人類の最大の発明は貨幣である」というブログの延長で、思っていることを。
人類の発展のためにまず必要なことは何か、ということについてです。

かの有名なトヨタ自動車が「モノづくりは人づくりから」と言っているように、モノに関わらず、会社経営をすると、仕事ができない人もあえて採用せざるを得ない局面が少なからず存在します。

また、まだまだ仕事の仕方を知らないビジネスマンに仕事を通してお客さんに喜んでもらう喜びを教え、そして人間として成長を促すということもよくおきます。これは会社が社会の公器であり、まさにサービスも含めて「モノづくりは人づくり」の一環であることを表していると思います。
そして、昨今はベンチャーブームもあり、特にIT系のエンジニアが1億もの年収を貰う時代になりました。かつて、文系が重宝された時代から、やっと理系も重宝される時代になってきたのかも知れません。

「創る人を増やす」という事を経営理念にしている会社さんもあります。

僕が強いて言うなら、会社経営を通して、「企てる人を増やす」と言うことに行きつくのかなと思っています。
よく聞く話ですが、かつての日本はモノづくり大国で作れば売れた時代。そして、作ったものは国土の狭い日本で人口増と共に消費され、経済大国として世界2位までのし上がりました。

そう、
作る人がいれば良かったのです。

でも、これだけのモノが溢れ、作っても売れない時代になるとそうはいかないのです。
ITがオープン化されて多くの産業が生まれたように、これからはデバイスがオープン化される時代になると言われ、僕もいろいろと考えました。デバイスがオープン化すると、今までインターネットでしか活躍できなかったエンジニアが、冷蔵庫やTV、デジカメなどのいわゆる組み込み系を操作することができるんです。
そうなると、スマート家電という言葉がより身近になるでしょう。もし、デバイスがオープンになるなら、もしかしたらIT革命と同じくらいの革命が起きるかも知れませんね。

そうなると「時代は繰り返す」ですが、インターネットが普及したような歴史をたどることになると思います。ネット接続業者が増え、パソコンをセットアップする業者が増え、まずはインターネットを触って貰う、入口のところでビジネスが成り立つ。

そして、接続の速さで勝負するISDNからADSL、光とブロードバンドの波がやってくる。それと並行してインターネットのコンテンツであるHPが爆発的に増え、検索エンジンやポータルサイトが重要になってくる。そして、そのポータルや検索エンジンが窓口になり、広告ビジネスが普及し、そうしてやっとECサイトという購買行動が起きてきます。

この流れは、確実にデバイスのオープン化でも起きる流れだと思っていて、そこの根っこを獲ることがビジネスマンとしては喜びに変わります。

そうなると、安易なのですが、「スマートコンセント」というコンセプトができます。スマートコンセントとは僕が勝手に考えていることなのですが、家庭でよく使うコンセントに電気をどのくらい使ったのかが表示されて、スイッチをON/OFFできる機能を入れて、315円ほどで売ります。例えば、エアコンの電源コンセントに、スマートコンセントを挟んでおく。
そうなると、夏の暑いときにクーラーをどのくらい使ったかがiPadとかで可視化されて、電気使用料=電気代が随時見えて節電効果に繋がります。
さらに、外出時に消し忘れたエアコンを外から操作して消すことだってできますし、自宅に帰る前に蒸し暑い室内をスイッチ1つで冷やして、快適にしておくことだってできます。もっと言うなら、タイマーだってセットできちゃいます。

たった315円のコンセントで。

家中の家電に付けたくなりますよね。TVだって操作できるし、お風呂だってそうかもしれません。そのコンセントで動くソフトはSDKを公開してオープン化。誰でもいろいろなアプリを作れる環境を用意しておきます。
ここまで話した技術はとても簡単で、そして誰かがすでに考えていると思いますし、すぐに基礎技術として開発されると思います。

でも、今広がっていないですね。

そうです。

最初に言ったように、
作るだけではダメなんです。

それを使って儲かるかどうかって話までちゃんとストーリーとして用意しておかないと、世間には広まらないと思っています。
例えば、この315円のスマートコンセントですが、本当に活用するとなると各家庭で10~20個くらいは必要ですよね?と言うことは、各家庭の投資額は、おおよそ3,150~6,300円になります。

「たったそれだけじゃん」って話ですが、たかが電力が可視化されたくらいじゃ、主婦(夫)の方々は投資しないかもしれません。
こう考えてみると、結構、ハードルが高いように思えます。

でも、もしこのスマートコンセントから収集されたデータを使って、いろいろな提案をしてくれるとしたらどうでしょう?
例えばエアコンからの電力量を計測して、毎日見るスマートフォンに、「あなたが現在使用中のエアコンは、今月5,483円使いました。これを最新の△△というエアコンに替えるだけで、毎月の電気代が3,482円になり、2,001円お得になります。年間24,012円の節約です。」と表示されたらどうでしょう?

さらに、「この最新の△△というエアコンは、取り付け料は無料で、今なら74,920円で購入が可能です。12年で投資回収が可能です。この金額は7月末までの特価です。在庫数は僅か1台。」と表示されたら、どう思いますか??
思わず、購入ボタンを押してしまうかも知れませんね。

そして、このエアコンのアフィリエイト収入が、例えば10%あったとします。そうすると、74,920円×10%=7,492円の利益が生まれます。

そうなんです。
そのスマートコンセントを作っている会社は、コンセントを売る収益だけでなく、このエアコンのアフィリエイト収入まで得ることができます。

モノを作るだけでは、
いけないと思っています。

相手の最終メリットまでストーリーを用意して事業を創ることが事業発展に繋がりますし、前の記事で「技術発展がGDPを向上させる」ということを書きましたが、ここにハッピーエンドのイメージまで創ることが、とても重要だと思っています。

それを生みだす人が世界を平和にし、世界を発展させることができるのだと思っています。

だから、SHIFTは
「業を企てる人を育てる」
ということを、
会社の存在意義にしたいな
と思っています。

2012.10.04 Masaru Tange(丹下 大)

※「大の視点」とは、SHIFTの代表取締役社長である丹下 大が当時SHIFTメンバーに向けて送ったメールを一部社外公開向けに再編集したものです

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