2021年5月11日、「ビジネスを『賢人』から学ぼう」をキャッチコピーに、オンラインで開催された「SHIFTゼミナール」。今回、丹下が密談を行ったのは、セガサミーホールディングス株式会社代表取締役社長グループCEOの里見治紀さん。この密談でしか聞けない話がいくつも飛び出した、その内容は必見です。密談のポイントをまとめていますので、ぜひご覧ください。
「密談」のまとめはこちら!
丹下からの質問:改めて里見さんの経歴は?
- 里見さんの紹介も兼ねて、丹下より経歴を質問することから密談がスタート
- 里見さんが最初に就職したのは証券会社
- 「父親(現代表取締役会長里見治氏)の会社(サミー)に入りたくないという反発心がありました」と里見さん
- もともと起業をしようという考えもあった
- いろいろなビジネスモデルを学ぶため、1年目から本部で働ける証券会社に就職
- IPOのコンサルティング部隊に配属され、社会人生活がスタート
<<社会人2年目のできごと>>
- 社会人2年目、就職した証券会社が銀行に買収された
- 「振り返ると、買収された企業で働いていたことが勉強になりました」と里見さん
- 買収された後の企業の動き方、現場のモチベーションの変化を体験できた
- 現在は、企業を買収したり売却したりすることが多い
- 自身の経験から、買収された企業や売却された企業で働く人の気持ちを理解できる
- 証券会社が買収された後、里見さんは不良債権処理のファンドに出向
- 瀕死状態の企業の債権を買い、再生させていくことを経験
- 企業のゆりかごから墓場までを見ることができた
- 担当した企業にはオーナー系の企業も
- どうやってオーナーの一族が追い出されるかも見てきた
<<セガとサミーの経営統合前>>
- 証券会社在籍時、セガとサミーが合併するという話があった
- 偶然にも、里見さんが所属していた証券会社がサミー側のアドバイザー
- 里見さんはアドバイザーとしてこの案件に参加
- 重要な交渉の間に入ることもあった
- しかし、セガとサミーは合併せず
- その1年弱後に、セガの大株主が売却した株をサミーが購入し、経営統合
- 「結果、合併しなくてよかったと思います」と里見さん
- 経営統合したことで、持株会社を設立
- そうしたことで、いまでもセガとサミー2つのブランドを大切にできている
丹下からの質問:当時からいるセガとサミーの従業員は仲がよいのか?
- ドリームキャスト以降のセガから、人員をサミーが受け入れていた
- そのため、経営統合前から、セガの元社員がたくさんサミーに在籍
- ドリームキャストのチップをサミーが購入し、パチスロをつくったりもしていた
- ビジネス上のつき合いもあったため、統合以降も従業員同士の関係は良好
<<CSK会長大川功氏について>>
- 大川功氏は、セガとサミーの大株主
- 両社の危機を助けてくれたのも大川氏
- そのため「セガとサミーは元々、異母兄弟みたいなものだったんです」と里見さん
- 里見さんのお父様である里見治氏は大川さんの愛弟子だったため、「セガを救うのは自分だ」と強い使命感のもと、大川氏亡き後、経営危機にあったセガをサミーが経営統合した
- SHIFTの元顧問はCSKの社長だった福山義人氏
- 丹下も「福山さんから大川さんの話はよく聞きました」
- 大川氏は亡くなる直前、経営危機にあったセガに個人資産800億円を寄付したと里見さんもエピソードを紹介
- 「過去も未来もそんな方はいないと思います」と里見さん
<<大川功氏と里見治氏の関係>>
- セガが経営危機のとき、大川氏から治氏にセガの社長就任の依頼があった
- その際はお断りを入れたというが、大川氏と治氏の関係は深い
- 大川氏亡き後、「その意志を父が継いで経営統合したんだと思います」と再び里見さんは回顧
父親と息子、そして会長と社長という関係もまわりが羨むぐらい良好
丹下からの質問:会長であるお父様とは経営の話をするのか?
- 「よくします」と里見さんは返答
- 現在は、社長と会長の関係
- 経営者2世3世で親子関係がうまくいっていない人は多い
- しかし里見さんはまわりが羨むぐらい関係が良好とのこと
丹下からの質問:なぜ、偉大な経営者であるお父様と関係が良好なのか?
- 「お互いに気をつかい合っています」と里見さんはその良好な関係の秘訣を公開
- 役員やお客様の前で会長の治氏は里見さんを否定しない
- 「あとで決定や発言を怒られることはありますけどね」と里見さんは苦笑い
- 里見さんが社内改革を進めることは、前任者であるお父様の批判に繋がることもある
- 里見さんもお父様の顔を潰さないように注意しているとのこと
- 丹下はこの話を聞き「本当にいい関係ですね」と感心しきり
丹下からの質問:経営者として現在の親子関係を築けた要因は?
- 世の中では、自分の子どもに社長を譲っても、裏で結局父親が決めてしまうことがよくある
- そのことについて、以前より治氏は否定的だった
- 「今回、息子に社長を譲ったため、我慢しているのでは」と里見さんは予測してニッコリ
- 父子2人で飲みに行くこともある。そこでは自然と経営会議になるとのこと
- 「将来、息子とそういうことをやりたいんです」と羨ましがる丹下
丹下からの質問:学生時代、なぜお父様の会社を継ごうと思わなかったのか?
- 「アイデンティティの問題」と語り出す里見さん
- ずっと「里見治紀」と誰も自分のことを認識してくれなかった
- 「多くの人が里見治の息子として認識する」と里見さんは回顧
- 小さいころ、それについて悩んだこともあった
- 経営者の2世3世はそれが嫌で会社を継がない人も多い
- しかし里見さんは、自分に自信がついて気にしなくなった
丹下からの質問:なぜ、お父様の会社であるサミーに入社することにしたのか?
- 「父親から会社に入れと言われたことはない」と里見さん
- さらに里見さんはつづけて「バンバンと出世をさせてもらったわけでもない」と説明
- サミーの役員に頼まれて入社した
- 治氏ではなく、役員の人のアドバイスを受けながら、いろいろな部署をまわり現在に至る
- サミーの社長に里見さん自身がなったときも、役員の後押しが大きかった
セガのモバイルの売上を数年で10倍以上に
丹下からの質問:セガネットワークスの社長に就任したときは、どんな時期だったのか?
- 当時アメリカにいた里見さんは、2012年7月にセガネットワークスの社長に就任
- ちょうど日本ではスマートフォンのゲームに移行する時期
- まさにGREEやDeNAのソーシャルゲームが真っ盛り
- 当時、セガはその波に乗り遅れていた
- 「ガラケーのゲームはゲームじゃない」というプライドがその原因
<<スマホゲームへのチャレンジ>>
- 里見さんはソーシャルゲームが儲かっている事実から、それもまた正義だと思っていた
- そして里見さんが考えたのは「だったらスマホだ!」
- iPhoneのAppStoreが出たとき、セガはもともとローンチパートナー
- そういう事情もあり「スマホに特化したゲームならガラケーのゲームじゃないから」とセガの経営陣を里見さんが説得
- しかし、GREEやDeNAなどのIT企業はこれまでの競合ゲーム会社とはスピード感が違う
- 当時参考にしていた本が「イノベーションのジレンマ」
- 里見さんは「イノベーションのジレンマ」にセガは陥っており、新しい軸で勝負をしないと勝てないことを社内外で語るようにした
- そして、新しい組織をつくる必要があったため、分社化も実施
- 当時、セガのモバイルの売上は30億円ほど
- その売上を数年で10倍以上にした
丹下からの質問:当時、クリエーターをどう説得したのか?
- 「一人ひとり口説いていったんですよね」と里見さんは丹下の質問に回答
- 食事に行ったり、従業員を集めて「協力してほしい」と頼んだこともあった
- 外からのクリエーターも採用
- さらにはベンチャー企業に投資をして、従業員を出向させていっしょに開発もした
- このころに丹下などの経営者とも仲良くなったとのこと
丹下からの質問:スマホゲームの事業をうまくいかせるポイントを、当時は把握していたのか?
- 里見さん曰く「手探りでしたね」
- まだ実績もなかったと回顧
- そして話題は里見さんのアメリカにいたときの話に
<<アメリカでゲームのデジタル化を先駆けて経験>>
- 里見さんはセガネットワークスの社長就任以前、MBA取得のためアメリカに渡り、UCバークレー大学経営大学院のパートタイムコースに在籍していた
- 3年間、仕事が終わった後や週末に大学院に通いながらMBAを取得
- 同時期に、仕事ではコンソール向けのデジタル配信ゲームビジネスの立ち上げを担当
- イギリスにスタジオをつくり、アメリカの企業も買収
- 1人の部署から日本に帰国するときには150人ほどの部署にした
- 「ゲームをデジタル化する先駆けのようなことをやっていた」と里見さんは説明
- 当時は売り切りのゲームばかり
- しかし里見さんはアメリカでの経験から、セガネットワークスを設立し、オンラインゲームを提供するようにシフト
- 「アメリカにいたことは大きかったですね」と当時を振り返る里見さん
丹下からの質問:アメリカに渡ったのは自分の意志なのか?
- 上記の丹下の質問に「自分の意志ですね」と里見さんは返答
- アメリカでの経験をもとに社内の創造的破壊をした
- ディスクにゲームを焼いて店頭で売るのが当時のビジネスモデル
- デジタル配信するのはおまけ的扱いだった
- モバイルもフィーチャーフォンの月額課金が当たり前の時代
- スマートフォンもおまけ的な扱いだった
- しかし「絶対にスマホに流れがくると信じて無理やり舵を切った」と里見さん
<<創業家だからできたこと>>
- 大手出版社の創業家の方も里見さんと同時期にアメリカにいた
- その方も担当していたのがデジタル系
- 紙に印刷をして売るというのが出版ビジネス
- 当時、やはりデジタルという分野はメインの扱いを受けていなかった
- 出版社もいまやデジタルは欠かせない
- 「創業家だからデジタル化できた」という話を2人でしたことがある
- 既存のビジネスにデジタル化は潰されてしまうのが一般的
- 短期の数字に目が行きがちだが、創業家だからこそ長期的な視点で考えられる
- 丹下自身は、SHIFTを自分の息子に継がせる気はない
- しかし「イノベーションジレンマが起きたとき、創業家がいることは有利に働くかもしれない」と丹下
- 「長期的な目線では有利に働くこともあるかもしれません」と里見さんも返答
決断は、ずっと悩んだ先にある
丹下からの質問:社内で自分のアイデンティティを示したいという想いが根底にあったから、スマホのビジネスをやり切れたのか?
- 里見さんの回答は「ここで結果を残さないといけない想いはありましたね」
- サミーは会長の治氏がつくった会社
- 一方でセガは統合した会社
- 「父はセガの創業者ではないため、自分はプロの経営者としてセガの社長をやっていた」と里見さん
- さらに里見さんは「結果を残さないとセガの社長を務まらないと思っていた」
丹下からの質問:プロの経営者に必要な観点は?
- プライベートエクイティファンドに里見さんはいたため、投資家目線でプロ経営者が乗り込んでリストラをするのを見てきた
- プロ経営者に「情はいらない」というのは一理ある
- しかし、従業員や取引先がたくさんいるなかで「情」というのは必要
- そのバランスをどうとるか
- カルロスゴーンのようなプロ経営者がきて、しがらみがないからできることもある
- しかし、しがらみがあるのがビジネス
- ハーバード大学の竹内弘高教授が「ビジネスはG・N・N」だと言った
- G・N・Nとは義理・人情・浪花節
- やっぱり「情」というもののバランスは大切
<<VUCAについて>>
- 「VUCAの時代」と言われる
- VUCA=V:Volatility(変動性)、U:Uncertainty(不確実性)、C:Complexity(複雑性)、A:Ambiguity(曖昧性)
- 「VUCは同じようなことを言っていると思う」と里見さん
- VUCAのなかでも、A:Ambiguity(曖昧性)が重要
- リーダーはその曖昧なところを「ここだ!」と決めるのが仕事
- セガではゲームセンタービジネスから撤退した
- サミーでは希望退職を募集
- Ambiguity(曖昧性)があるなかで、これだと判断するのが経営者の仕事
丹下からの質問:その2つの判断はどうやって下したのか?
- ゲームセンタービジネスからの撤退と希望退職者を募る判断をどう下したのか
- 丹下が里見さんに質問
- 「ずっと悩むんです」と里見さんは回答
- ほかの経営陣と話しているとき、里見さんの判断は「はやい」と言われたことがある
- なぜか考えた
- 大きい案件になればなるほど、その日に言われて決断をすることはない
- 検討に入ってから数ヶ月かけて決断する
- その際、「プライベートのときも、ずっと考えている」と里見さん
- 決断をするまでにそうとう悩んでいる
- 逆に決断できない役員がいると「悩んでいない」と叱咤激励することも
丹下からの質問:悩みを分解すると、どんなイメージなのか?
- 「悩むときは、パラメーターがあって、数式があって、結論を出す」と丹下
- その際、パラメーターがどんどん変化する
- 丹下曰く「悩んでいるときは、パラメーターのことを考えていることがほとんど」
- 他の人からしたら、そのパラメーターが見えていなかったりする
- そして、丹下から里見さんへ上記の質問
- 「丹下さんのイメージと近いですね」と里見さん
- 時間が経つと新しい情報が入ってきたりする
- パラメーターが変わるなかで「やる、やらない」を決定していくとのこと
丹下からの質問:いつも悩まれていて、そのジャッジを下すときは時間をかけないのか?
- 里見さん自身はずっと悩んでいるので、ジャッジがはやいと思っていない
- ただし「決めてほしい」というときに結論を先送りすることはしないようにしている
- 里見さんの決定を会長であり父である治氏が覆したことはない
- それをやってしまったら里見さんの決定を誰も信じない
- 里見さん自身が決断をしているからこそ、みんなその判断を信じてくれる
- 「それはありがたいですね」と里見さん
お客様をハッピーにしつづける限り、セガサミーは世の中にあってもいい
丹下からの質問:エンタテインメントのヒットをどう見ているのか?
- 「エンタテインメントの世界は当たるか当たらないか非常にむずかしい」と丹下
- 当たったときの破壊力はすごいが、当たらなかったときのダメージも大きい
- そこで、丹下が上記の質問
- 「忍耐ですね」と里見さんの予想外の答えに丹下は大笑い
- エンタテインメントのヒットには数字的に儲かった、儲かっていない以上の問題がある
- 外したときにはファンからの非難は大きい
- しかしファンあっての会社
- 忍耐強くやるしかない
- 一方でヒットしたときは、従業員の1番のモチベーションに
- 他社で当たったら悔しいと思ったりしながらやっている
丹下からの質問:胆力や忍耐力はどうやって鍛えているのか?
- 「千本ノックしかないですね」と里見さん
- つづけて「『わざわざ社長をやることはないのにな』と思うことはないのか」と丹下が質問
- ふと思うことはある
- 証券会社時代に病気で入院を経験した里見さん
- そのときは「このまま働かなくてもいいか」とも思った
- ただ、復帰を待ってくれる人がいたため、やる気に!
丹下からの質問:批判するファンも「待っている人」であるため、モチベーションになるのか?
- 「そうですね」と里見さんは即答
- 喜んでくるファンをいかに増やすか
- セガサミーのミッションは「感動体験を創造し続ける」
- 「お客様をハッピーにしつづける限り、セガサミーは世の中にあってもいい会社になる」と里見さんは発言
- さらに「我々がやっているビジネスはバラ色ではない」と里見さん
- パチンコパチスロにはのめり込みの問題があり、ゲームにも依存症の問題がある
- 負の部分があるからこそ、正の部分で満たしていきたい
エンタテインメントで1番やらなくてはいけないことは、期待値を上回ること
丹下からの質問:「感動体験を創造し続ける」というミッションを、プロ経営者としてどう自分に落とし込んでいるのか?
- 会長でありお父様である治氏がつくったミッション・ビジョン・コアバリューがある
- 「感動体験を創造し続ける」は、治氏の原体験からきているものかもしれない
- そう丹下が語り、上記の質問を里見さんへ
- これまでセガサミーではいろいろな商品やサービス、ゲームなどを出してきた
- そのなかで「喜んでくれるのを見るのが1番のモチベーションになる」と里見さん
- お客様、友人知人が喜んでくれるとうれしい
<<現在進行形の人をいかに増やすか>>
- 一方で「昔話に喜ぶな」という話をよくすることを里見さんは紹介
- 「学生時代にあのパチスロが好きで」という昔話を聞くと、もちろんうれしい
- しかし、いまパチスロで遊んでいないかもしれない
- 「過去形の話を現在進行形にしなくてはいけない」と里見さんは言うようにしている
- いかに「昔はこのゲームが好きでした。いまはこのゲームにはまっています」と言ってもらえるか
- 現在進行形の人を増やすことがブランド力につながっていく
- 「知名度とブランドは違う」と里見さんは社内でよく話している
<<エンタテインメントで1番やらなくてはいけないこと>>
- エンタテインメントで1番やらなくてはいけないことは、期待値を上回ること
- 「期待通りだったら、リピーターにならない」と里見さん
- 期待通りなら、文句は言われないが褒めてもくれない
- お客様が期待していた以上のものを出せたとき、そのギャップに感動体験がある
丹下からの質問:「感動体験」をつくるためにやっていることは?
- 里見さんの答えは「つねに考えること」
- そして里見さんがもう一つあげたのは、マーケティングで嘘をつかないこと
- マーケティングでの失敗事例も里見さんは紹介
- リリースをしたものは悪くはなかったが、マーケティングで期待値を上げ過ぎてマイナスのギャップで批判が生まれた
- マーケッティングは煽ればいいものではない
丹下からの質問:エンタテインメント系で参考にしている人や企業はあるのか?
- セガサミーではいろいろな事業をやっているため「その事業ごとにベンチマークは決めています」と里見さん
- 同業でもセガサミーより利益率の高い企業はある
- 同じビジネスモデルで他社が利益を出せるなら、自分達も利益を出せるはず
- だから、事業ごとにライバル視というよりはベンチマークをしているとのこと
<<日本で1番のエンタテインメント企業について>>
- 気づいていない人が多いと前置きし、日本で1番のエンタテインメント企業を里見さんは紹介
- 売上規模で言うとSONY
- SONYの映画、音楽、ゲーム、アニメの事業を足すと売上は約2.7兆円
- 任天堂の売上が1.7兆円ほど
- SONYを一般の人は電化製品のメーカーだと思っているが、まぎれもないエンターテインメント企業
- 日本一になるならSONYをベンチマークしなくてはいけない
- 世界一になるならディズニーをベンチマークしないといけない
- そういう妄想はしている
コストダウンやプラットフォーム化を目指し、ライバルと合弁会社を設立
丹下からの質問:2016年に競合のユニバーサルエンターテインメントと合弁会社を設立した経緯は?
- 当時、ライバル関係にあったユニバーサルエンターテインメントと合弁会社を設立したのは「衝撃的だった」と丹下
- 業界で大きな話題となった、このできごとの経緯を丹下が里見さんに質問
- 「従業員が1番ビックリしたのでは」と里見さん
- 実は、ユニバーサルエンターテインメントの社長と3年ほど交渉をつづけてきた
- いろいろなステップを踏んで、徐々に信頼関係を構築
- 「説得するのが大変だったのは、父親だった」と里見さん
- 里見さんは「実利をとりましょう」と説得
- ハード部分の統一を目指し、ソフトの部分はこれまで通りライバル企業というふうにした
- 今後、コストダウンやプラットフォーム化を実現していく
- この2社の合弁会社設立は、業界を変えていくというインパクトがあったのでは
<<ユニバーサルエンターテインメントと関係を構築するキッカケ>>
- 元々は別件でユニバーサルエンターテインメントと話すキッカケがあった
- サミーネットワークスでバーチャルパチンコホールをやっている
- そこにユニバーサルエンターテインメントの製品を出してもらった
- そうやってステップを踏んでいった経緯がある
日本企業として海外で当てていきたい
丹下からの質問:ゲーム、パチンコ、ホテルは同じエンタテインメントの事業としてくくっていいのか?
- 現在セガサミーでは、ゲーム、パチンコ/パチスロ、リゾートを事業としている
- ミッションで掲げている「感動体験」の提供では同じと里見さんは説明
- リゾート事業は確かにエンタテインメントではない
- しかし、ホテルで感動を提供したいというのは同じ
- 「だからこそ、我々は感動創造企業」と里見さんは力強く発言
- エンタテインメントは確かに人間にとって不要不急
- しかし、それではつまらない
- セガサミーのミッションのサブタイトルは「社会をもっと元気に、カラフルに。」
- 社会をカラフルにするのが仕事
- いまはみんな心理的に圧迫されている
- エンタテインメントは、それを癒すことが可能
- それが企業としての存在価値
- 「いまは世の中がモノクロ。色がないのはつまらない」と丹下
丹下からの質問:いま面白いと思っていたり、危機感をもっている分野はあるのか?
- 危機感をもっている分野について里見さんは言及
- 韓国のドラマや音楽は世界中で人気がある
- 日本は元々その位置にいたはず
- COOL JAPANと言われているが、いま置いていかれている
- COOL JAPANで儲かっているのは、漫画とアニメとゲームだけ
- いまは何でもかんでもCOOL JAPAN
- 「自分で自分のことをかっこいいと言うほどダサイものはない」と里見さん
- 日本は自分でCOOLと言ってしまっている
- 里見さん曰く「このあたりにやりたいことはいっぱいある」
- セガの代表的なキャラクター「ソニック」が映画(ハリウッド)で当たった
- 「日本企業としては海外で当てていきたい」と里見さんの意気込みを聞けたところで、残念ながら時間となり、密談が終了!