<密談> ここでしか聞けない話が満載!マネーフォワードの辻社長とSHIFT社長 丹下のTOP対談

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2020年10月14日、「ビジネスを『賢人』から学ぼう」をキャッチコピーに、オンラインで開催された「SHIFTゼミナール」。そのなかで「密談」と題して、マネーフォワードの代表取締役社長CEO 辻庸介さんとSHIFT社長 丹下の対談が実現しました。大変興味深いお話が聞けたこの対談のポイントを大公開します! ぜひご覧ください。

どんな「密談」が行われたのか!? ポイントはこちら!

いよいよ密談スタート!

・「著名な経営者をおよびして大きな学びを提供したい」と丹下の挨拶から対談はスタート!
・丹下が心から尊敬し、かつ親しい間柄であるマネーフォワードの辻さんが対談相手
・「気を許しすぎて、いろいろ喋ってしまいそう」と心配する辻さん
・「どんどん気を許してください」と丹下が語り、本格的な対談へ

 

 

創業した理由は、お金の課題をテクノロジーで解決したいから

丹下からの質問:マネーフォワードとは、どんな会社なのか?

・対談の最初は、マネーフォワードについて辻さんが紹介
・お金の課題をテクノロジーで解決したいという想いで、辻さんがマネーフォワードを創業したのは2012年
・「お金を前へ。人生をもっと前へ。」がミッション
・バックオフィスの会計ソフトがメインサービス
・日本全国の会計事務所、社労士事務所、商工会議所、金融機関と共に社会課題を解決している


<<マネーフォワードの提供サービス>>

・サービスには4つの部門がある
・中小企業向けサービス:Money Forward Business
(中小企業のクラウド化を推進)
・個人向けサービス:Money Forward Home
(家計簿サービスがメインで、ユーザー数は1,000万人強)
・金融機関向けサービス:Money Forward X
(OEMでサービスを提供:通帳アプリや法人向けポータルサイトの制作など)
・成長企業向けファイナンシャル・アドバイザリーサービス:Money Forward Finance
(データをもとに、従来お金が届かなかった中小企業などにお金を届ける仕組みを提供)

 

「Moneybook」で失敗して、家計簿サービスが生まれた

丹下からの質問:なぜ、会計のクラウドサービスをつくろうとしたのか?

・クラウドサービスをつくろうとしたとき、すでに会計ソフトは世の中にあったはず
・それでも辻さんが会計のクラウドサービスを選んだ理由について丹下が質問
・まず、最初に生まれた家計簿サービスについて辻さんが回答


<<家計簿サービスが生まれたきっかけ>>

・若かりし頃、辻さんはExcelで家計簿をつけていた
・しかし、結局は家計簿の金額などがよくわからない状態に
・辻さんの前職はマネックス証券
・そこでもお金で失敗する人を見てきた
・これまでの経験から「お金をコントロールする方法を生み出さないと」と思うように
・まず必要だと思ったのは、現状の見える化を自動でやること
・そこで金融機関や証券会社と繋いで、自動で現状を確認できる仕組みを開発するようにした

 

丹下からの質問:設立当初の資金調達はどうしたのか?

・設立メンバー6人で出資し、さらにマネックス証券にも出資してもらった
・設立当初の月給はしばらく25万円だったとのこと


<<Moneybookについて>>

・実は、設立当初に提供していたサービスは家計簿サービスではなかった
・辻さん達が最初に提供したのが、Facebookのお金版「Moneybook」というサービス
・基本は匿名で銀行や証券の情報を登録すると、登録者がお金をいくらもち、どういう株式を所有しているか表示される仕組みだった
・投資教育はとても大事だが、勉強するのに時間がかかる
・一番いいのは成功している人をコピーすること
・「Moneybook」では成功している人を見られるというのが魅力
・当時、そのようなビジネスモデルも出てきていた
・しかし、集まったユーザーは最大で20、30人ほど…
・「何がネックだったんですか」と丹下
・ユーザー目線がまったくなかったことが大きな敗因と辻さんは回想


<<マネックス証券 社長の松本大さんについて>>

・出資してくれたマネックス証券 社長の松本さんも「Moneybook」について「難しいんちゃうか」と当初から疑問視
・それでも「そこまでいうなら応援してあげる」と松本さんは出資してくれたとのこと
・「辻さんのキャラクターがあってこその出資では」と丹下
・辻さんはマネックス証券時代、 「Moneybook」のビジネスモデルを松本さんにずっとプレゼンしていた
・辻さんはマネックス証券が好き
・だからこそ、本当はマネックス証券で「Moneybook」を実現したかった
・しかし、結果的にリーマンショックなどがあり実現できず

 

丹下からの質問:「Moneybook」から家計簿サービスにピボットした理由は?

・最初はマーケットがなくても、潜在マーケットがあると信じてやっているとマーケットが顕在化することがある
・「Moneybook」を2~3年頑張れば花開くこともあったはず
・しかし、家計簿サービスに移行した理由は何か、辻さんに疑問を投げかける丹下


<<B to Cサービスについて>>

・辻さん曰く「将来は何となく予想はできる」
・ただし、わからないのが時間軸
・最近、Instagramに匿名で家計簿をあげる人がいる
・ようやく時代がついてきたが、いまでも「Moneybook」は難しいと辻さんは思っている
・しかし、「Moneybook」のようなサービスをいま従業員が提案したらGOを出すかもしれない
・これまで学んだのはBtoBはわかりやすいが「BtoCはやってみないとわからない」ということ


<<家計簿サービスにピボットした理由>>

・「Moneybook」が失敗して、自分達がほしいものをつくることに
・モノづくりを議論していると、みんなの頭のなかにいろいろなユーザーがいる
・その結果、機能などは最終的につまらないサービスに
・だからこそ、この人を幸せにするというユーザーを1人決めた
・ターゲットにしたのは、辻さん本人(30代中盤の男性で銀行や証券に口座をもっている人)
・数は多くないが、ターゲットとなる人達が利用してくれるサービスを目指すことにした

 

 

値段は「えいや」で決めた

丹下からの質問:クラウドサービスの値段や有料・無料のサービスの差は、どう決めたのか?

・クラウドのサービスは値段や有料と無料の機能の差を決めることは難しい
・そこで丹下が辻さんに上記の質問


<<値段を決めた経緯>>

・家計簿アプリに関しては、当時あらゆるものが「えいや」だった
・2013年にプレミアムサービスをつくった際も「えい500円」と値段を決めたのは辻さん
・値段は下げることはできるが、上げるのは難しい
・社内では「200~300円がいいのでは」という話も出ていたが500円に
・料金の決め方にはいろんなロジックがあるが、ようは提供価値とのバーター


<<有料と無料の機能の差を決めた経緯>>

・当時の有料機能は、1年以上前のデータが見られる、5つ以上の金融機関と繋げられる など
・テストをしようと思って有料と無料の機能の差を考えた
・しかし、当時はお金がなかったため、1年以上前ではなく数ヶ月前のデータを有料で見られるようにすればよかったと、すぐに後悔したとのこと…

 

バケツの穴をどう塞ぐかが、プロダクトづくりの肝

丹下からの質問:家計簿アプリのユーザーは離れることはなかったのか?

・リリースした当時、ユーザーの継続率データを見ていて辻さんはあることを発見
・金融機関のデータを登録したユーザーの継続率は、あるところでその減少が止まる
・ずっと継続して利用してくれるユーザーがいることがわかった
・サービスをつくるときは、バケツに穴が開いているのと同じ
・どれだけユーザーが上から入ってきても、どんどん抜けていく
・溜まることはないが、穴をどう塞ぐかがプロダクトづくりの肝
・穴を塞いで溜まったユーザーに課金したら、自分達は食べていけるかもしれないと思った
・それを発見したときに「イケるかもしれない!」と感じたとのこと

 

丹下からの質問:家計簿アプリがイケるかもと思ったのは、サービスをスタートしてどれくらいか?

・「Moneybook」から家計簿アプリにピボットするまでに3~4ヶ月
・ピポットして家計簿サービスは1~2ヶ月で開発
・「当時の熱量はすごかった」と辻さん
・すぐにリリースしてユーザーの反応を見て、ダメならすぐにひっこめる。そういうサイクルをものすごい早さでまわした
・そのため「1ヶ月で1年分ぐらいの開発をしていたはず」と辻さんは回想
・「当時の体制は?」と丹下が質問
・エンジニアが3人で、辻さんが仕様を決めていたとのこと
・開発に使用した言語は、バイトの大学生が提案してくれた「Ruby on Rails」
・プロダクトを立ち上げるには最適な言語だった


<<アプリで展開までの経緯>>

・家計簿アプリは、最初Webサービスとしてリリースしていた
・当時、すでに大手がWebで家計簿サービスを展開
・大手が先行者かつお金もあったため、このままではダメだという話に
・2012年の終わりぐらいに「これからはアプリ」という話題になり、マネーフォワードでは家計簿サービスをアプリで展開

 

丹下からの質問:2012年当時はゲームが全盛でエンジニアがいないなか、どうやって家計簿アプリにエンジニアを集めたのか?

・みんな、お金に関しては課題意識がある
・「こういうものがあった方がいい」というのは自分ごとにしやすい
・「だからエンジニアが集まったのでは」と辻さん

 

 

ひたすらユーザーの声を聞いて、ひたすら開発をしていた

丹下からの質問:アプリをリリースしてどれくらいダウンロードがったのか?

・「リリース直後、ダウンロード数は増えなかった」と辻さん
・真っ暗闇のなかを走っていたが、出口が間違っているのではと不安だった
・努力の方向を間違えていたら、意味のない努力
・「心をどう保っていたのか」という丹下の質問に、辻さんは「仲間の存在じゃないですか」
・一人だったらくじけていた

 

丹下からの質問:資金が尽きたらどうしていたのか?

・背水の陣で臨んでいたので撤退基準もなかった
・もうユーザーしか見るものがなかったので、やることはシンプル
・ひたすらユーザーの声を聞いて、ひたすら開発をしていた
・「愚直にそればかりやっていました」と辻さん


<<リリース当時の思い出>>

・サービスリリース当時、知識がなかったので広告収入でお金を得ようと思っていた
・そこで「Google AdSenseではったんです」と辻さん
・テストでワンクリックしたら1円の収入が
・数ヶ月収入なしでやっていたため、わずかでも収入が入ることが嬉しくなってしまった
・自分達でクリックし過ぎてしまい、バンされてしまった(といっても120円ほど)
・メインとなる広告収入のアカウントがさっそく使えないことに…

 

丹下からの質問:ブレークポイントはどこだったのか?

・「メディアにとり上げられた時がブレークポイント」と辻さん
・2013年のはじめ、ライフハッカーとワールドビジネスサテライトにとり上げられた
・「そんなに早くとり上げられるものなのですか?」と丹下
・そこにはエンジェル投資家からアドバイスが
・β版と正式サービスリリース時、もしくはユーザー〇万人突破のようなときにしか、メディアはとり上げてくれない
・「リリース時にメディアに行くべき」とアドバイスを受けていた
・それでメディアにアプローチしたという辻さん
・「なぜ、とり上げられたと思います?」と丹下が質問
・お金の不安やモヤモヤがみんなある
・それを自分ごとに思ってくれたのが要因
・メディアにとり上げられた結果、いっきにユーザーが数千人にまで増加

 

企業向けサービスのきっかけは、ユーザーの声

丹下からの質問:企業向けサービスは何の目的で、いつからつくったのか?

・「便利なアカウントアグリゲーションの仕組みを確定申告に使いたい」とユーザーから要望が
・辻さんも確定申告の手入力は大変だと怒りを覚えていた
・辻さんはソニー時代、3年間、経理の仕事に従事
・「世界のソニーにいるのに、何で紙だったり、手入力なのか」と怒りを感じた過去も
・アカウントアグリゲーションの仕組みを活かしたら、確かに確定申告は簡単になる
・過去の怒りをおさめるには「これ!」と直感し、確定申告のクラウドサービスを開発することに


<<確定申告のクラウドサービス開発時の状況>>

・確定申告のクラウドサービスを開発しようと思ったときも、家計簿アプリはまだまだうまくいっていなかった
・そのため、このサービスの開発を従業員は反対
・この話を聞き、「反対をどう押し切ったのか」と丹下は興味津々
・確定申告は1年に1回。そのシーズンが大切
・それに間に合わせるため「すぐ開発するんだ!」と辻さんは従業員を説得したとのこと
・コスト的にはアカウントアグリゲーションの仕組みを共通化できるということもあった


<<資金調達について>>

・「人とお金がない」とさらに従業員から確定申告のクラウドサービス開発に反対の声が
・「人とお金は自分が連れてくるから」と辻さんが話し、資金調達をすることに
・2013年の12月、ジャフコが5億円を投資
・それは家計簿アプリを評価してもらった結果
・そしてクラウドサービスをつくることも許可を得た
・しかし、家計簿のユーザーは10万人ほど
・実は有料課金しているユーザーは10%に満たなかった
・しかも売上は数十万円
・それを聞いて「口説くときのポイントは?」と丹下が質問
・ジャフコの人たちも家計簿アプリを使って便利だと感じていた
・確定申告のクラウドサービスも確かに便利になると感じてもらえたことがポイント
・さらにマネーフォワードの「チームワーク」も高評価
・この3点を信じて投資してもらえたとのこと
・まだ大きく成長する前なのに「それを信じてもらえたのはすごい」と丹下

 

 

確定申告のクラウドサービスは半年で開発

丹下からの質問:エンジニアはどう雇ったらうまくいくのか?

・「社員紹介は、やっぱりいい」と辻さん
・能力が高くても、ビジョンに共鳴がない人を業務委託で採用したら失敗したこともあった
・そこでビジョンの大切さにも気づき、ビジョンに共鳴してくれる人を採用している


<<確定申告のクラウドサービス開発時の体制>>

・マネーフォワードの従業員の30~40%はいつのときもエンジニアとデザイナー
・確定申告のクラウドサービスを開発しはじめたときはエンジニア数が10~15人だった
・「その人数でマネーフォワードビジネスをつくろうとしたのはすごい」と丹下
・当時の給料は月30~40万円
・20代、30代のエンジニア、マネックス証券出身のセキュリティの鬼のような50代のエンジニアも参画したことがある
・しかし「規模感のあるシステムを当時はやっつけでつくったので、あとで苦しむことになったんです…」と辻さん
(リファクタで新規サービスがストップしたこともあった)

 

丹下からの質問:確定申告のクラウドサービスはどのくらいで開発したのか?

・8月から開発をスタート
・テストを含めると半年で開発しないといけなかった
・機能もわからなかったので辻さんがどうにか考えたとのこと
・辻さんに経理と会計の知識があり、会計士の資格をもつエンジニアや元経営者のエンジニアもいたことがラッキーだった

 

スモールチーム・権限移譲が、強いエンジニア力のポイント

丹下からの質問:新しいサービスを開発するとき、エネルギーをもった少人数だとうまくいくのか?

・確定申告のサービスは業務知識、エンジニアの技術、ユーザーファーストの3つを組み合わせて開発した
・しかも、少ない人数でも開発期間半年でそれを実現している
・大企業も重く考えずに同じようにやればいいのでは
・そう話して、丹下は辻さんに上記の内容を質問


<<マネーフォワードのチームに関する考え方>>

・マネーフォワードは、これまでいろいろなプロダクトをつくってきた
・いつも最初はデザイナー1人、エンジニア2人、企画1人の体制
・「その最少単位は重要ですか?」と丹下
・辻さん曰く「少人数でもめちゃくちゃできる人が集まればいいんです」
・変に人が多くなるとコミュニケーションコストが高くなってしまう

 

丹下からの質問:エンジニア力を高める重要な決めごとがあるのか?

・「現在も試行錯誤はしている」と辻さんは前置き
・しかし、組織的にはいまとてもいい状態
・CTO、さらに各ドメインにVPoEがいてエンジニアをマネジメントしている
・「スモールチーム、権限移譲」がテーマ
・優秀なメンバーに重い仕事をやってもらっている
・それが創業以来のやり方


<<初期のころの失敗談>>

・かつて、個人向けと企業向けのデータベースをいっしょにしてしまっていた
・そのため、ビジネス側でリリースして失敗したら、個人向けのサービスも止まってしまうことも
・いつも「最適」を選んで意思決定はしているが、そのときはつらかった
・高いスキルのエンジニアが入社すると「何でこんな状態なのか」と言われたことも
・その際は素直に「ごめん」と謝っていたという辻さん
・当時はそれがベストだと思っていたが時代の流れで変わる
・そのためマイクロサービス化を進めていった

 

 

サービスをつくるのが一番大変

丹下からの質問:ベンチマークしている会社はあるのか?

・MBA留学のため、海外にも辻さんは行っている
・そのため海外にも詳しい
・「世界的に見て、ベンチマークしている会社はありますか」と丹下は質問


<<ベンチマークしている会社>>

・開発プロセスはなかなか世の中に出てこない
・普通に考えたらGoogle、Facebookが圧倒的に何か考えてやっている
・そのノウハウがどこで手に入るのかわからない
・だからこそスクラッチからスケールしたサービスを参考に、そのつくり方を学んでいる
・日本だと、オープンにしているのはメルカリ
・クラウドでスケールして、データベースが大きいサービスは日本にはあまりない
・だから苦しんでいる…
・「マネーフォワードで苦しんでるなら、苦しむのが当たり前と思った方がいいですね」と丹下


<<サービスづくりについて>>

・辻さんの口から「サービスをつくるのが一番大変」との発言が
・データベースの設計だけでも「あのとき、なぜコレに気づかなかったのか」と思うことがたくさんある
・それを聞き「エンジニアがノウハウを共有するコミュニティをつくりたいんです」と丹下
・経営者は勉強会がたくさんあり、本もたくさんある
・エンジニアのための共有の場は少ない
・だからこそ「もっとオープンになってもいい」と丹下

 

拠点長の力や個性で色が変わる

丹下からの質問:マネーフォワードの開発拠点はどれくらいあるのか?

・「マネーフォワードの開発拠点はいろいろな場所にあります」と辻さん
・開発拠点は東京、大阪、京都、福岡、ベトナムの5拠点
・エンジニア数は約360人
・各拠点ではスクラムでやってみたり、地域ごとにチャレンジしている
・エンジニアチームの生産性の可視化にも挑戦中とのこと
・それぞれの地域の特性に丹下が注目
・「プロダクトの特性によるところが大きい」と辻さんが説明
・会計のサービスだとデータベースが大規模
・そのため東京で開発
・社会保険などの日本語が難しいものは海外でつくりづらく、日本の拠点が担当している

 

丹下からの質問:どんなエンジニアやチームが、生産性が高くなるのか?

・辻さん曰く「拠点長の『こういうものをつくるんだ!』というパッションが関係する」
・拠点長の力、個性によって、各拠点の色がしっかり出る
・例えば、福岡では会計や経費のサービスを立ち上げた拠点長がいる
・その人はパッションが強いため、若いエンジニアが集まって高いモチベーションでやっている
・「任せること、チームを小さくすることも大切」と辻さん

 

丹下からの質問:生産性はどのようにはかっているのか?

・「その方法は現在、試行錯誤中」と辻さんは前置き
・たとえば、その方法の一つがコミット数
・ほかにも、いろいろなものを可視化、数値化している


<<開発ツールについて>>

・マネーフォワードでは、一般的なツールを使っている
・「ツールで開発スタイルが差別化することはないんですかね」と丹下
・「あまりないでしょうね」というのが辻さんの回答
・各拠点で使用するツールも任せている
・ツールは試したい欲求がそれぞれのエンジニアで強い
・非効率な面もあるけど、それでも各拠点に任せているとのこと

 

丹下からの質問:エンジニアが喜ぶ施策を何かやっているのか?

・マネーフォワードではいろいろな施策をやっている
・エンジニア合宿もその一つ
・合宿に行って業務に関係ないプロダクトを開発したりしている
・またカンファレンスに何十人で行ったりすることも
・勉強になるなら会社のお金を使ってOK

 

 

「ここで働きたい」と思ってもらえる会社をつくるしかない

丹下からの質問:自社の優秀な人材が起業したり、競合に転職したりすることはあるのか?

・「ありますよ」というのが辻さんの回答
・自分も起業しているから、基本的にはOK
・しかし、仁義を通すことだけは大切にしている
・競合に行くのは好ましくない
・引き抜きもNG。マネックス証券から引き抜いたことはない
・丹下も起業している
・丹下もやめるのも起業するのもOK
・しかし、「起業するよりもSHIFTにいた方がいい」と思ってもらえる会社にしようとしている


<<起業について>>

・「起業はめちゃくちゃ成功確率が低い」と辻さん
・丹下も納得
・確率的にはよくない
・マネーフォワードと同時期に創業した会社はだいぶなくなっている
・経営者としては「ここで働きたい」と思ってもらう会社をつくるしかない

 

金融業界攻略の秘訣は「何かお役に立てるはず」というスタイル

丹下からの質問:金融業界をどうやって攻略していっているのか?

・金融業界は上下関係が厳しかったり、プロトコルが違いすぎたりする
・攻略が難しい業界
・しかし、マネーフォワードはいくつもの金融機関と仲良くやっている
・その攻め方を丹下が辻さんに質問


<<金融機関との付き合い方>>

・Money Forward Xのサービスは、いろいろな金融機関に提供中
・各金融機関もフィンテックやアプリケーションを提供しないといけないと思っている
・マネーフォワードを求めてくれているところもある
・お互いのいいところを合わせて、よりいいものをつくることが大切
・対立ではなくて協業
・金融機関の方と話していると勉強になることも多い
・「これだとお役に立てるかもしれないですね」というのが辻さんのスタンス
・「この『何かお役に立てるはずだ』というスタンスが、うまくいっている秘訣だ」と丹下が分析
・一般的なベンチャーのアニマルスピリットをもった人たちは「絶対効果が出るから導入しろ!」というスタンス。その差は大きい
・辻さんは争いごとが嫌い
・「そういう人じゃないとフィンテック業界はまとめられないですよ」と丹下

 

まとめ

・辻さんの元に集まるエンジニアはすごい
・何より、辻さんのように業界をアグリゲイトしている人はなかなかいない
・「とにかく辻さんは面白い」と丹下
・そう丹下はまとめて「密談」が終了!

 

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