こんにちは株式会社SHIFTで技術イベント運営を担当している森川です。
本日は、株式会社オージス総研様と共同で企画したイベント
「オージス総研 × SHIFT ディスカッション『なぜ、わたしたちはアジャイル開発を選んだのか』」
についてレポートさせていただきます。
HowよりもWhyについて語りたい
テーマはタイトルの通り『なぜアジャイル開発を選んだのか』を共有するというシンプルなもの。
■どんなイベント?
近年ではアジャイルを啓蒙するイベントや勉強会は多くおこなわれ、参加者数も年々増加していると感じます。一方で、国内におけるアジャイル開発の普及率は40%といわれており海外と比較して芳しくない現状です。How to アジャイルを学ぶ前に、なぜアジャイル開発が必要なのか、従来型開発では何がフィットしないのかWhy アジャイルを考える機会があってもよいのではないでしょうか。
アジャイルを「どうやってうまくやるか」(=How)ではなく
「なんでアジャイルが要るのか?」(=Why)を体験ベースで語っていただきたい
というのが企画の動機でした。
エントリーは 112 名、参加者 71 名
エントリーされた 112 名のうち 35% は「アジャイル開発に関わっていない」という構成で
した。
アジャイル開発にかかわっていない人がこんなに多いということに、「Why Agile」へのニー
ズを感じました。
テンション上がりますね!
![](https://shiftomo.cdn.shiftinc.jp/uploads/2023/01/06132658/01.png)
イベントはSHIFT EVOLVEではおなじみのSHIFT LIVEを使ったウェビナー形式で開催しました。
コメントやリアクションでインタラクティブに進められるのが良いところ。
![](https://shiftomo.cdn.shiftinc.jp/uploads/2023/01/06132725/02.png)
ダッシュボードで可視化もできます。
恒例のウォーミングアップタイムでは、アイスブレーク的な問いかけをして
アジャイルに来た理由をコメントしていただきました。
![](https://shiftomo.cdn.shiftinc.jp/uploads/2023/01/06132748/03.png)
楽しい回答の一部はこちら
- アジリティと価値創造を求めて
- 使いながら品質向上を目指していけるから
- まとめてドーーンと作るとリスクがあるから
- 時代が速さを求めているからです
- とにかく早く作りたいという要望を叶えたい
- とにかくお疲れ気味です
- ウォータフォールに疲れたから
- ビッグバンリリースに疲れたから
- ネイティブアジャイル!!
- 生きてたらアジャイルだった
- むしろウォーターフォールの経験がない
プレゼン+ディスカッションという2部構成
![](https://shiftomo.cdn.shiftinc.jp/uploads/2023/01/06132815/04.png)
まず最初に、3名のアジャイルの世界にやってきた経緯を語っていただき
次にディスカッションという構成にしました。
プレゼンターの方々のコンテキストを共有してから
質問やリアクションを交えてディスカッションをしたいと思ったからです。
佐藤(SHIFT)のプレゼン
トップバッターは弊社の技術統括部/DevOps推進部 副部長の佐藤から。
![](https://shiftomo.cdn.shiftinc.jp/uploads/2023/01/06132838/05.png)
テーマは『SIで基幹システムをやっていた私がアジャイルに惹かれたワケ』
前職の製鉄系企業でシステム開発に関わる中で
長い開発期間を経るとリリースの頃にはニーズが変わってしまう「あるある」と
ステークホルダー間の会話の無さがもたらす弊害を痛感したとのこと。
![](https://shiftomo.cdn.shiftinc.jp/uploads/2023/01/06132901/06.png)
イテレーションでチーム間の対話を繰り返すというポイントに惹かれたのが
アジャイルへのきっかけの一つ、だそうです。
先に要件を決めても開発か終わる頃には変わってしまうのは
よく言われる話だと思いますが、WF開発で実際に経験された方の話は
リアリティと説得力がある、と思いました。
芳沢様(オージス総研様)のプレゼン
2番手は、今回、共同企画させていただいたオージス総研様の
計画部QU推進チームで品質向上施策を担当されている芳沢様。
※ QU = Quarity Upだそうです。
テーマは『ウォーターフォール開発の品質向上活動をやっていた私がアジャイルに惹かれたワケ』
![](https://shiftomo.cdn.shiftinc.jp/uploads/2023/01/06132924/07.png)
業務システムの開発、コンサルティングを経て、アジャイルやDXの推進活動をされています。
WF開発の品質活動をされていた当初はアジャイル開発に懐疑的だったそうです。
DXをテーマとしたソフトウェア品質シンポジウム2019へ参加された際に
品質についてあらためて考える機会がありました。
![](https://shiftomo.cdn.shiftinc.jp/uploads/2023/01/06132958/08.png)
DXの目的である「競争に勝つ」、「可能性を逃さない」を掲げたときに
従来型開発の「バグを出さないこと」に比重を置くだけでは足りない。
品質の概念を変えていくべき、という気づきに至ったとのことです。
品質向上活動の担い手という、品質目線でアジャイルに必要性を感じられたところが興味深く
また、システム開発や商品企画の部門の立場から見れば心強い取り組みなのでは?
と思いました。
実は芳沢様は過去のSHIFT EVOLVEのイベントに何度もご参加いただいておりまして
かねてから登壇オファーをしている中、今回はじめて登壇していただくことが実現したのです。
ありがとうございます!
上野(SHIFT)のプレゼン
ラストは弊社のアジャイル推進グループでQAリードをつとめながら
Agile Japan EXPO 代表理事、JaSST Tokyo実行委員長としても活躍されている同氏。
テーマは『脳の研究をやっていた私がアジャイルに惹かれたワケ』
![](https://shiftomo.cdn.shiftinc.jp/uploads/2023/01/06133027/09.png)
「脳の研究」というエッジなワードにザワつくコメント欄にもかまわず
淡々とお話を進められます。
博士課程で研究されているとき、確立してない仮説検証のプロセスのために
研究室にこもりきり(ラボ畜)になっていたそうです。
その後、SI企業に就職されてWF開発に出会い
「計画を立てて手戻りがないようにするってすごい!」
(この素晴らしきウォーターフォール)
と、ラボ時代にこれができていれば、と強く思ったとのこと。
![](https://shiftomo.cdn.shiftinc.jp/uploads/2023/01/06133051/10.png)
しかしそれもつかの間でした。
計画どおりにいかないという壁にあたったところで、アジャイル開発に出会いました。
予測不能なことを上手に相手して、プラクティスを積んでいく
アジャイル開発にストンと腹落ちされたそうです。
人類には「きれいなウォーターフォール」は早すぎる
まずはアジャイルを目指してはいかがでしょうか。だって世界は予測しがたいのだから。
名言がバシバシ飛び出してきましたところで
プレゼンは終わり。
ソフトウェアの開発手法の変遷をご自身の人生でミニマムに体験されていて
あたかも人生が改善ジャーニーになっているところが素敵でした。
参加者コメントも活発なディスカッションタイム
![](https://shiftomo.cdn.shiftinc.jp/uploads/2023/01/06133113/11.png)
三者三様のプレゼンが終わったところでディスカッションタイムです。
会場(オンラインですが)はすでに温まっており
リアクションやコメントがたくさんでした。
いただいた質問にプレゼンターが回答したり
脱線して話題が膨らんだりと、有意義な時間でした。
以下、コメントでいただいた質問(抜粋)です。
- アジャイルで一番重要だと思っているポイントを教えてください
- アジャイルとかで言われる価値ってなんですか?
- 超大型案件でもアジャイルで完結できるのでしょうか?
- アンチホイホイとは?
まとめ
ざっくりですがまとめてみました。
- アジャイルの「How」ではなく「Why」なイベントやってみました
- 110人超えるエントリー、うち35%はアジャイル未経験者
- 「どうしてアジャイルを選んだ」という出自の共有は貴重
今回のテーマ「Why アジャイルの共有」には、まだまだニーズがありそうです。
横に広げて様々な職種・ロールの方に来てお話していただいたり
どういう瞬間にアジャイルが必要と思ったか
具体的なトピックで縦に掘るのも有意義なコンテンツになりそうです。
今後も企画を繰り出していきたいと思っております。
ご興味がありましたらご参加ください。
SHIFT EVOLVEとは?
SHIFTグループが手掛けるエンジニアコミュニティのための活動。
技術顧問川口 耕介さんとの技術イベントやコミュニティなど
ジャンルやビジネスの枠組みにとらわれない風通しの良い活動が特徴。