2021年2月18日、「ビジネスを『賢人』から学ぼう」をキャッチコピーに、「SHIFTゼミナール」がオンラインで開催されました。なかでも、注目なのが「密談」です。なかなかお話を聞くことが叶わない経営者をゲストとしてお呼びし、丹下が対談するこの企画。今回は、弁護士ドットコムの代表取締役社長 内田 陽介さんをお迎えしました。貴重な話が聞けた濃厚な1時間。その密談のポイントを大公開します! ぜひご覧ください。
「 どんな「密談」が行われたのか。まとめはこちら!!
丹下による内田さんの紹介
- 「飛ぶ鳥を落とし過ぎて、落とす鳥がいなくなったのでは」と丹下が語り、目を見はる勢いの弁護士ドットコム代表取締役社長 内田陽介さんを紹介
- 「画面映りがバッチリです」と内田さんを褒めると、丹下に「この日のためにトレーニングをしてきました」と内田さん
- そんな和やかな雰囲気から密談スタート
トレーニングに関する話題
- 以前、内田さんは365日お酒を飲んでいた
- しかし緊急事態宣言後、お酒を控えることに
- そして体質改善に取り組んだ
- 内田さんは食事制限も徹底的に実施
- 「筋トレは身体がみるみるうちに変わるので面白い」と内田さん
内田さんと丹下は同じ出身地
- 内田さんと丹下には共通点が
- なんと同じ広島県福山市出身
- 「珍しいですね」と丹下
- そして、いよいよ本格的な密談へ
間違いなく「カカクコムが成長する」という実感があった
丹下からの質問:弁護士ドットコムの時価総額が上がっていることについて、どう思っているのか?
- 弁護士ドットコムではSaaSビジネスが好調
- そう丹下が紹介したうえで、上記の質問
- 内田さんは「予想以上のスピードで上がっている」と返答
- さらに「ありがたくもありつつ、その期待値に応えていかないといけない」とつづける内田さん
丹下からの質問:カカクコムでは、どうやって役員へのぼりつめたのか?
- 内田さんはカカクコムの元役員
- 内田さんがカカクコムに入社したときは、従業員数が5名
- 元々、カカクコムに出資していたベンチャーキャピタルからの出向
- そのなかで内田さんは「間違いなくカカクコムが成長する」という実感があった
- 社会人になってまだ数年だったにも関わらず、カカクコムの社長に「取締役にしてほしい」と直訴
- そのとき「会社の売上の5割をつくったら役員にする」と社長が約束
- そこで保険、通信回線、金融の比較などの新規事業を次々と立ち上げた
- 結果として4割の売上をつくることに成功
丹下からの質問:価格比較でうまくいったジャンルのポイントは?
- 価格比較でうまくいかなかったものは「ほとんどない」と内田さん
- パターンが決まっていて、パソコンなど型番があるものはうまくいく
- しかし洋服や家具など、型番がないものはうまく比較できなかった
実は弁護士ドットコムに買収提案をした
丹下からの質問:弁護士ドットコムに関わった、最初のキッカケは?
- 弁護士ドットコムの創業時、創業者の元榮太一郎氏がカカクコムを訪問
- 「弁護士も比較できるような時代がやってくる」と考えていた元榮氏
- そのため、カカクコムをお手本ととらえ、情報交換のためにカカクコムにやってきた
- 当時、カカクコム側で元榮氏の対応にあたったのが内田さん
- 内田さんと元榮氏の長い関係はそこから
- そして、内田さんはカカクコムをやめて独立していたとき「弁護士ドットコムの役員をやってほしい」という流れになった
丹下の質問:創業時の弁護士ドットコムを、カカクコムが買収しようとしたことはないのか?
- 「本当のところ、買収提案をしたんですよ」と内田さん
- カカクコムに内田さんがいたころ、元榮氏の力強いプレゼンを聞いた
- それを聞き、当時の内田さんは弁護士ドットコムの成長を確信
- 提携でやっても面白くないため、買収を提案した
- しかし、弁護士ドットコムが創業したてだったため、買収には至らず
丹下の質問:カカクコムが自前で、弁護士ドットコムのようなサービスをつくろうと思わなかったのか?
- 「それは思わなかったですね」と内田さんは即答
- 弁護士ドットコムの領域は素人にわからない
- 元榮氏が弁護士だからこそできることがたくさんあると、当時から内田さんは実感
- 業界を知らない人間が、そのようなサービスをつくることは危険
- ユーザーにとって利便性の高いサイトづくりができない可能性が高い
丹下の質問:医者やコンサルなどのマッチングを、カカクコムはなぜやらなかったのか?
- 専門知識をもった人がサービスをつくることが大事
- カカクコムの場合、ユーザーの声を集めて評価するものが多い
- 素人が専門家を評価する仕組みは正しいのか
- ユーザーのためのサイトづくりにならないのでは
- そのような考え方があり、むずかしい領域という整理をしていた
丹下の質問:社外取締役になった2015年の弁護士ドットコムの状況は?
- 弁護士ドットコムは当時、すでに弁護士のマッチングはサービスとして成り立っていた
- 内田さんは、上場した直後ぐらいに社外取締役に就任
- 時価総額は100~150億円、売上は10億円ほどのころ
- 利益も約2~3億円出ていた
国内にいる半数の弁護士が弁護士ドットコムに登録
丹下の質問:改めて弁護士ドットコムのサービスはどんなサービス?
- 弁護士ドットコムのユーザーは、無料でサービスを使用できる
- 逆に弁護士が無料もしくは月額で登録
- そして、弁護士ドットコムのもうひとつの収益源が「みんなの法律相談」
- ユーザーが掲示板に書き込んだ法律相談に対して弁護士が答えるもの
- 過去の法律相談と回答を見たければ月額300円が必要
- 現在、10万人以上のユーザーが会員登録中
<<登録している弁護士について>>
- 弁護士は約2万人が登録している
- 国内の約半分の弁護士が弁護士ドットコムに登録
- 月額の登録料を支払っているのが5,000人ほど
- 「創業時の登録数から考えるとありえない数字」と内田さん
丹下の質問:弁護士ドットコムが狙っているのは、個人事務所のような裾野の広いマーケットか?
- 「まさにそうです」と内田さんは回答
- 弁護士業界では、個人、または2人ぐらいでやっている法律事務所の登録が8割を占める
- そういう方々にとって広告宣伝する場所や資金はなかなかない
- 弁護士ドットコムの登録がマーケティングしやすい手法
- 「かつては法律上、弁護士が広告を出すことはダメだったんですよね?」と丹下が質問
- 以前は、弁護士が広告を出すことは禁止だったが2000年に解禁
- 弁護士ドットコムは「時代をつかんで、地道に弁護士の登録者数を増やしてきたわけですね」と丹下
丹下の質問:弁護士に相談するという行為の現状は?
- 2割ぐらいの人しか弁護士に相談していない
- 現状はどうかと丹下が内田さんに質問
- 内田さんの回答は「少しずつ増えてきています」
- 弁護士ドットコムでは毎年調査を実施
- 現在、弁護士に相談する人は20数パーセントという結果が出ている
- 「まだまだポテンシャルはある」と丹下
- 「簡単なことでも弁護士に相談してもいいということを知ってもらうだけでも、世の中は変わってくるはず」と、弁護士ドットコムの役割を内田さんが紹介
丹下の質問:弁護士が出演しているテレビの影響は?
- 「あれはいいですよね」と口にする内田さん
- 弁護士は近寄りがたい印象をもたれがち
- 番組があることで、意識的なハードルを下げてくれる
法律を一番理解しているからこそサービスができる
丹下の質問:なぜクラウドサインを立ち上げたのか?
- 弁護士ドットコムでは電子契約サービスの「クラウドサイン」を展開している
- サービスを開始したのは2015年
- サービス開始時、すでに内田さんは社外役員
- 弁護士ドットコの経営陣は、上場後の成長ストーリーを考えていた
- 弁護士ドットコムの一本足打法では成長がどこかで鈍化する
- そこで新規事業をつくることに
- 経営陣の合宿のなかで出たアイデアのひとつがクラウドサインだった
丹下の質問:当時、ほかにどんな新規事業のアイデアがあったのか?
- ほかの候補としてあがっていたのは弁護士保険など
- 当時、弁護士保険の方が新規サービスとして有力だった
- 弁護士保険は、弁護士をもっと身近にでき、安心安全を提供できるサービス
- そのため、内田さんはいまだに有望なサービスだと思っている
- 弁護士ドットコムでは税理士ドットコムも展開中
- 専門家のラインアップを増やそうという話も出た
- 弁護士・税理士以外にも「ライアップの拡充はこれから実現していきたい」と内田さん
丹下の質問:税理士ドットコムのユーザー拡大のポイントは?
- 税理士ドットコムも弁護士ドットコムと仕組みは同じ
- サイトのつくり、税務相談の掲示板などが似ている
- そのためユーザー拡大はシナジーがきく
<<税理士のニーズ>>
- 「税理士より弁護士の方がミッションクリティカルではないか」と丹下
- 世の中に節税したいというニーズはあるかもしれない
- しかし、税理士に求めるのは、確定申告の処理だけ、計算の仕方だけにいきそう
- 丹下の話を聞き、「いい税理士がつくと、会社が変わる」と内田さん
- 税理士にとって企業がメインクライアント
- 企業と税務顧問になる税理士のマッチングを内田さんたちはサポートしている
- どんな税理士がつくかで企業の運命は変わるもの
- 「たしかにしっかり選んだほうがいいですね」と丹下も納得
- SHIFTでも海外と日本の税制の違いによって苦労したことがあった
- 「専門家の知恵をもっと簡単に活用できるようにすることが、我々のミッション」と内田さんは力説
丹下の質問:専門的な領域を事業化できるのはなぜか
- Webでサービスをつくろうとするとき「弁護士や税理士など、専門的な領域はふれてはいけない気がする」と丹下
- そこをしっかりできるのが「すごい」と丹下が内田さんを絶賛
- 「弁護士がつくった会社で、社内にも弁護士がいる」と語りはじめる内田さん
- 法律を深く理解しているからこそよいサービスができ、リスクもわかる
- 普通の会社ではそこまでわからない
クラウドサインのスタートは苦労の連続
丹下の質問:なぜ、クラウドサインが新規事業に選ばれたのか?
- クラウドサインの話に再び話題を戻した丹下
- そして上記の質問を内田さんへ
- 内田さんの回答は「原体験的なところが強かったかもしれないですね」
- 創業者の元榮氏が弁護士として契約締結を多くやってきた
- 一方で元榮氏が経営者としての視点で見たとき、会社のあらゆるものがクラウドになっているのに契約だけが紙
- 両方の立場で理解していた
- また、海外では契約締結のクラウド化が進んでいることもキャッチアップ
- だからこそ「電子契約がくる」と確信していた
<<クラウドサインのスタート>>
- クラウドサインのスタートを振り返った内田さんから出てきた言葉は「難産」
- 「このサービスは大丈夫か」という期間がしばらくはつづいた
- 「プロダクトをつくるのはスモールスタートだったのか」と丹下が質問
- スモールスタートでMVPをつくる感じだったと内田さんは回想
- いっきにやると失敗する
- 小さくはじめて、ちゃんとつづけられるようにすることが大事
- 当時、クラウドサインは3~4名ほどで開発
- その人件費がかかっていただけ
丹下の質問:クラウドサインのプロモーションをどうしたのか?
- クラウドサインのユーザーをいちから集めないといけない
- そう語り、丹下が上記の質問を内田さんへ
- 内田さん曰く「ここが一番むずかしかったところ」
- 契約の場合、契約を交わす両社が電子化をOKしないとサービスを使えない
- みんな「便利だね」と言ってくれる
- しかしクラウドサインを導入したはいいけど、相手からOKをもらえないことが多かった
- そのため最初は苦労の連続
- そこで雇用契約などの社内契約にクラウドサインを活用してもらうところから進めていった
丹下の質問:クラウドサインの法人営業は地道に行っていたのか?
- 法人営業は「ずっとやっていた」というのが内田さんの回答
- 「説明すれば導入してもらえるんですか?」と丹下がさらに質問
- 全然導入はしてもらえなかったとのこと
- まずIT業界のスタートアップに近い人にアプローチしてきた
- そういう人たちは、そもそも会社がまだできあがっていない
- だから社内の契約ルールや仕組みを変える必要もなく、変更するにしても一瞬
- 「クラウドサインは便利だから使ってみよう」という流れが多かった
<<ベンチャーキャピタルへの導入>>
- ベンチャーキャピタルにも応援してもらった
- 投資契約や株主間契約は大変
- ハンコがいくつも必要
- そこでVCの人たちがベンチャーの世界でクラウドサインを広めてくれた
- 「当時、スタートアップはクラウドサービスを使うのが当たり前という時代だった」と丹下が回想
- その話に「クラウドサービスが流行っていない状態だったら、クラウドサインは広まらなかったですね」と内田さん
人と人の繋がりが大企業を動かした
丹下の質問:クラウドサインはどう広まっていったのか?
- 「クラウドサインを入れてくれたのは、感度が高い会社から」と内田さんは言及
- そして弁護士ドットコムでも導入事例をどんどん紹介
- 「Twitterでも拡散してもらったのが効いた」と内田さんは、クラウドサインが広まった過程を説明
<<大企業がクラウドサインの導入に至るまで>>
- 「どうやって大企業を攻略したのか」と丹下が質問
- 弁護士ドットコムではSMBCとジョイントベンチャーをつくっている
- 「これが大きかった」と内田さんはポイントを紹介
- SMBCとつくっているジョイントベンチャーは「SMBCクラウドサイン」
- クラウドサインはSMBCにも導入されている
- SMBCはメガバンクであり、強固なセキュリティが求められる
- そこに導入されているため、クラウドサインは信頼度がアップした
<<SMBCをどう口説いたのか>>
- SMBCをどう口説いたのか丹下は興味津々
- 「人と人」と内田さん
- SMBCがやっているオープンイノベーション拠点「hoops link tokyo」がある
- そこでクラウドサインの営業担当がSMBCの新規事業担当者と出会った
- ディスカッションをしているうちに「銀行でもできるかも」とジョイントベンチャーをつくることに
丹下の質問:スタートアップは諦めず足しげく企業に通うことが大切か?
- 「スタートアップの人たちには参考になるかも」と話しはじめる丹下
- SaaSは流行っている
- しかしサービスをつくったところで売れない
- 仲間内で広げる、応援してもらうことが必要
- そのどこかでブレイクスルーがある
- BtoB営業はリレーション構築のハードルが高い
- いまのムーブメントで大企業や銀行は応援してくれる
- しかし、どこかで停滞することが多い
- そう話したうえで、内田さんに見解を求める丹下
<<内田さんの見解>>
- クラウドサインはいま大企業に入れてもらえるようになった
- しかし全社の意思決定で入れてもらっているところは少ない
- 大企業のある部門のリーダーが導入してくれていることが、よくあるパターン
- 大企業でもチャレンジグなパッションをもっている人はいる
- そういう人との繋がりから導入に至るため、繋がりが大切
丹下からの質問:大企業のエバンジェリストをつかまえるためにやっていることは?
- 「わりといろいろやっている」と内田さん
- クラウドサインのチームでは弁護士が責任者
- その責任者が情報発信を強くやっている
- さらにチーム内に情報発信力の強いメンバーが在籍
- その2人がとにかく情報を発信
- 感度の高い人たちがそこに集まってくる
- 丹下から「クラウドサインのポテンシャルはまだまだあるのでは?」
- 内田さんは丹下の質問に「まだまだ全然あります」
丹下からの質問:クラウドサインには、どんなマーケットがあるのか?
- 「契約に限らない」とマーケットに関して内田さんは発言
- 紙でやりとりしているものは全部、クラウドサインに置き換えられる
- 「やばいですね」と丹下
ハンコをやめると、世の中はいっきに変わる
丹下からの質問:クラウドサインのビジネスモデルは?
- 内田さんがクラウドサインのサービス内容を解説
- 契約の送信者と受信者がいる
- 送信者だけクラウドサインに登録が必要
- 無料でもサービスを利用できるが、有料になるとより便利に使える
- 月1万円~で契約送信あたり1件200円
- 受信者側はクラウドサインに登録が不要
<<有料会員と無料会員の状況>>
-
14万社超がクラウドサインを導入中(※数値は2021年1月末時点)
- 無料でも月に5件まで契約送信が可能
- ちなみにSHIFTでは全面的に導入中
- 丹下はコロナを機にハンコを一切排除した
- 「ハンコをやめるチャレンジをすると、いっきに世の中が変わると思うんです」と内田さん
- 「クラウドサインは黒字化しているのか」と丹下が内田さんに質問
- 「赤字です」と内田さんは苦笑い
- 来期ぐらいにブレイクイーブンするかもしれない
成長ストーリーはとても重要
丹下からの質問:現在の株価の各指標についてどう思っているのか?
- PERで見ると天文学的な数字になる
- 「PSRで見てくれている投資家が多い」と現状を語る内田さん
- 丹下からさらに「ほかのSaaSの会社よりも高めに出ていませんか?」
- 内田さんも「出ていますね」
- それを聞いて「何がよくて、高めに出ていると思いますか」とさらに丹下が質問
- マーケットの大きさと成長ストーリーが要因ではと内田さんは分析
- 成長ストーリーはとても重要
- クラウドサインも伸びている
- KPIで伸びが出ていることも大きい
- 世界にドキュサインという圧倒的な電子契約のプレイヤーがいる
- その時価総額は5兆円でまだまだ成長中
- ドキュサインのようなわかりやすい先行指標があることも大事
クラウドサインは自分たちの強みを活かせた事業
丹下からの質問:クラウドサインは、弁護士ドットコムだからうまくいったのでは?
- 「クラウドサインは、弁護士とITに詳しい人の掛け算がうまくいった」と内田さん
- 自分たちの強みを活かせた事業
- 先述の通り、弁護士ドットコムには国内にいる半数近い弁護士が登録している
- その弁護士ドットコムがクラウドサインを展開していることで、安心感も与えられた
- 「クラウドサインはトラフィックを稼ぐ必要があるのだが、粗利は高い?」と丹下が質問
- 内田さんからは「粗利は高いです」
- 原価は少ないため、安価でのサービス提供が可能なビジネス
- しかし、黒字にいくまでには道のりが長い
- 契約送信あたり1件200円のため積み重ねていくしかない
丹下からの質問:クラウドサインの値決めはどうしたのか?
- 「値決めが大切」と丹下が語り、「月1万円だと競合が出ない」とクラウドサインの月額を絶賛
- そして上記の内容を丹下が内田さんに質問
- 「導入しようと思える値段は重要」と内田さんは回答
- それでクラウドサインの月額を1万円に決定
丹下からの質問:今後はどんな展開を考えているのか?
- クラウドサインに関しては、契約書の締結や管理がサービスの中心
- 「その前の契約書の作成やその後の契約書の履行まで狙っていきたい」と展望を語る内田さん
- 紙の契約書が電子になっているためデータ化できている
- そのデータを分析し、ユーザーに活用してもらえるようにすることが次のフェーズ
丹下からの質問:多様なサービスを展開するのではなく、クラウドサインを中心にサービスを展開していくのか?
- 「クラウドサインはさらに投資を強化することになる」と内田さんは回答
- 投資をするなら人材
- プロダクトの利便性の追求は終わることがない
- 徹底的に磨き上げていくのが一番
- 営業の人員も必要
- 売上成長ペースがはやいので、そう遠くない将来に利益化すると思う
社長を頼まれたとき、うれしかった
丹下:創業者の元榮氏が参議院議員選挙に出たときはどう思ったのか?
- 「びっくりしましたよ」と笑う内田さん
- 元榮氏が選挙に出ると聞いたときは「えー」っと思った
- すごい判断。内田さん自身では考えられない
- 選挙に出ることは止めなかった
- 元榮氏の強いところは目標を決めたら徹底的にやりきるところ
- 「まわりが止めたから、止まる人間じゃないんで」と笑顔の内田さん
- 政治の世界は幅広い年齢の人がいる
- コミュニケーションがむずかしいのではと丹下が推測
- 「それができるのが元榮のすごいところ」と内田さん
- 元榮氏は徹底的に自分をコントロールできる人と紹介
丹下:現在、元榮氏と弁護士ドットコムの関わりは?
- 元榮氏とは現在、株主および創業者としての関わり
- 会社の職責からは外れているため、経営には関わっていない
- 内田さんと元榮氏はたまに会って情報交換している
丹下の質問:元榮氏が辞めるとき、どんなふうに社長を頼まれたのか?
- 「社長をやってほしい」と内田さんは元榮氏から言われた
- 内田さんにとって、もともと弁護士ドットコムは好きな会社
- そのため社長を頼まれたときは、うれしかった
- カカクコムをやっているときから、何かを比較したり、ユーザーの最適な意思決定をお手伝いするのがライフワーク
- ユーザーにとって弁護士への依頼は意思決定の重たい究極的なところ
- それをお手伝いでき、会社のハンドルを握れることはすごいこと
熱量に仲間が集まってくる
丹下の質問:社長業で一番時間を使っていることは?
- 内田さんが少し前まで一番時間をかけていたのはクラウドサイン
- 組織づくりや採用に時間をかけていた
- 内田さん自身の社長のタイプを丹下が聞くと…
- 「おおらか系」と回答する内田さん
- マイクロマネジメント系ではないつもりでいるとのこと
- 任せてしまった方が楽
- 任せた方が、事業責任者のやる気も違ってくる
- クラウドサインがうまくいきはじめているのも、責任者の熱量がすごいから
- その熱量に仲間が集まってくる
丹下の質問:任せることはむずかしいが、ポイントは?
- 「運的なところは多い」と笑う内田さん
- この質問に珍しく困っている様子
- そして「任せる人を選ぶとき、熱量があるかどうかを見ます」と内田さんは回答
- 夢中な人には絶対勝てない
- 最低限の能力は当然必要だが、あとはどれだけ夢中か内田さんは見る
丹下の質問:事業を任せた責任者が伸び悩んだ場合、ほかの人に変えるのか?
- 「あまり責任者を変えない」というのが内田さんの方針
- そのかわりに、まわりを変える
- パーフェクトな人はいない
- どんな人でも苦手なものはある
- その責任者に壁がきたときに、苦手な部分を直そうというより、得意なところを伸ばし、苦手なところは組織でうめていく
丹下の質問:根底的な熱量をどうはかっているのか?
- 何かを任せる人も、最初から責任者ではない
- 現場でメンバーの一人として働いているなかで、熱量というのがあらわれる
- そうしたら、その人をひたすら引き上げていくというのが内田さんの考え
- 熱量をもった人との出会いは、かなり運によるところも大きい
日本酒と街の居酒屋が好き
丹下の質問:内田さんはお酒を控えているが、そのため楽しみがないのでは?
- いよいよ時間が迫るなか、内田さんのプライベートに迫る丹下
- ダイエットのため、お酒を控えている内田さん
- そして上記の質問を丹下が内田さんへ
- お酒を控える前までは、毎日かなりのお酒を内田さんは飲んでいた
- 内田さんが好んでいたのは、日本酒
- 内田さんは居酒屋が好き
- 街の行きつけの居酒屋に奥さんや友達とよく行っていたとのこと
丹下の質問:経営者と幅広く付き合っているのか?
- 内田さん曰く「そういうのが苦手」
- 「引きこもり系の経営者」と内田さん
- 丹下と内田さんのはじめての出会いは銀行系のイベント
- 内田さんがイベントに参加しているのは珍しいため、丹下が声をかけた
- そこからのお付き合い
- 丹下が最後に「今日は本当に学びが多かった」と内田さんにお礼
- イベントで登壇されることも珍しい内田さん
- 参加いただいたことに再び丹下が感謝し、今回の密談が終了!