グローバルロールアウトプロジェクト拡大の軌跡! SHIFTで世界と向き合う面白さとは?【前編】

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今回の「SHIFTではたらく人」は、グローバルロールアウトプロジェクトの最前線に立つ室とスリカント。SHIFTで世界と向き合うからこそ得られる面白さややりがいとは? 前半・後半の2回にわたり、白熱した対談の模様をお届けします。


室

室(むろ)
株式会社SHIFT デジタルビジネス事業本部 流通ネットサービス事業統括部 リテールSCMアカウントマネジメントグループ所属。
2015年4月、SHIFTに新卒入社。入社間もないころから数多くのプロジェクトにアサインされ、大いに揉まれながら爆速で成長。現在は流通小売りのお客様への売上拡大をミッションとするアカウントマネジメントグループ長を務める。

スリカント

スリカント
株式会社SHIFT サービス&テクノロジー本部 品質サービス統括部 産業流通・通信サービス部 流通サービス1グループ所属。
インドのチェンナイ出身。現地日系企業などで組み込み系エンジニアなどを務めたのち、来日。2020年1月にPL(プロジェクトリーダー)としてSHIFT入社後、わずか数ヶ月でPM(プロジェクトマネージャー)に抜擢。現在はサービスマネージャー補佐として、部下のマネジメントも担当している。

井出

井出
株式会社SHIFT 人事本部 人材戦略統括部 事業人事部 ビジネスディベロップメント人事グループ所属。
2019年3月にITも人事も未経験でSHIFT入社後、HRBPとして毎年100名ほどの採用に携わる。現在は、デジタルビジネス事業本部のHRBPとして、SHIFTのビジネスをさらに採用面から支援すべく奮闘中。
※以下取材内容は2021年8月時点のものです。

テスト工程から、徐々にSHIFTが担う領域を拡大

井出:今回はインタビュー、よろしくお願いします!まずはおふたりが進められたプロジェクトについて教えてください。

室:端的に言うと「お客様が自社開発しているECシステムを、日本と事業を展開している世界各国に導入していく」プロジェクトです。私たちが参画するまでは、他社のパッケージを使っている国や、そもそもまだECシステムを使っていない国など、各国で足並みがまったくそろっていない状態。そこから、ECのコスト削減とロールアウトのため、自社のパッケージによる共通のオペレーションとシステムへの切り替えを進めていきました。

井出:なるほど!どのくらいの規模になったんでしょうか?

室:アジア圏を中心に、10ヶ国ほどに展開してきました。もともとSHIFTはテスト工程に参画しましたが、プロジェクトの本格化に伴い、例えば「ある国での機能追加が、別の国で影響が出ないことを確認する」といった変更管理も求められるように。いまはスリカントと一緒にプロジェクトのPMOに加わり、システム内で発生する変更点の全般的なマネジメントを支援しています。

井出:グローバル規模のプロジェクトの大変さは、どんなところにあるんですか?

室:1番大きかったのは、システムとして完成しているテスト環境のテストだけではなくて、事業展開国の現地ビジネスのメンバーに向けたシステム導入支援まで手がける点ですね。導入のレクチャーや進捗管理、改修のリクエストなどを伝える際にも、各国の文化的背景まで考慮した言葉選びをしなければ伝わらないのには悩まされました。私もスリカントも未経験のことばかりでしたが、プロジェクトのなかで徐々にSHIFTが担う領域を広げていきましたね。 

スリカント:最初のころは、「誰とコミュニケーションをとればいいのか?」というところすら手探りでした…。

 

 

現地と一体感をもち、どんどん関係者を巻き込んでいった

井出:ECサイトとなると、各国の税制に合わせた税率計算なども大変そうですね…。

スリカント:税率計算システムのようなものはあるのですが、税制が複雑な国の場合はテストに苦心しましたね。

室:法規制は国によって、本当に全然違うんですよね。現地と要件をすり合わせていても、法規制を完全にカバーするのはむずかしくて、インストールの段階になってはじめて「これも必要だった!」という点が出てきたり…。

スリカント:サードパーティー製品の使用によるバグなどもあって、大変でしたね。

室:あとは、現地の倉庫とも何度もやりとりしましたね。倉庫のシステムは、現地の運送会社などのシステムとつながっているんですよ。私たちが導入するシステムと連携する、現地倉庫システムの品質が不安定で、本番環境で毎回エラーが起こるなど、自分たちだけでは解決できない問題も発生しました。

井出:どうやって乗り越えていったんですか?

室:毎日2時間ほど、みっちり現地メンバーの方と英語でミーティングしました。接点をつくって現地の状況を掴んでいくうちに、海を越えてだんだんと一体感が芽生えていったんです。最終的にはお客様の役員層から倉庫ベンダーに要望を伝えてもらい、改善のために動いてもらいましたね。現地とのコミュニケーションを密にして、関係者をどんどん巻き込んで進めていくことで、問題を乗り越えられたんです。

スリカント:スピード感もかなり求められていました。3、4ヶ国同時にプロジェクトを進めることもありましたし…。

室:最初の1、2ヶ国はスリカントとタッグを組んで一緒に乗り越えましたけど、同時に3ヶ国でプロジェクトを進めている時は、2人で分担して、それぞれで進めていく形にしていました。むずかしい課題が出たときはフォローしつつ、基本はスリカントに任せるスタンスでしたね。

井出:国による価値観の違いなどは感じられましたか?

スリカント:ワークライフバランスの考え方などは、国ごとに違いますよね。プロジェクトが大変な状況になっていても、時間になったらすぐにいなくなる国もあります。

室:一緒に働いていて、プライベートをすごく重視しているんだな…と感じることはありますね。急な作業はご法度で、何週間も前に頭出ししておかないといけないとか。ミーティングするにしても、アジェンダや参加する必要性が明確でなければ「なんでこれに出ないといけないの?」と言われてしまったり…。

スリカント:もちろん、積極的に協力してくれる国もあるんですけどね。

室:そうそう。国ごとの違いを理解して、依頼する内容や範囲に濃淡をつけることは意識しながら進めていましたね

 

 

ダイナミックなプロセスに携わり、いい意味で終わりがない

井出: 現地倉庫やお客様の役員まで巻き込んで、プロジェクトのわだかまりを改善していく経験はなかなかできないものではないでしょうか?

室:今回のプロジェクトは、内製型のプロジェクトでありながら、マルチベンダーマネジメント的な要素もあったんですよね。内製型でスピード感をもってハンズオンで仕事をしていく面と、マルチベンダーコントロールをしながらプロジェクトを進める面、両方を経験できたのはこのプロジェクトならではかもしれないですね。

井出:おふたりが担った仕事の幅広さが感じられます…!

室:共通のパッケージを展開しているので、機能改修をした場合はもちろん、毎回すべての国にリリースしないといけないんですよね。各国の状況を把握しながら、リリースやテストのタイミングをコントロールするのは一筋縄ではいきません。でも、SHIFTではこうしたプロジェクトがいくつも並走していて。世界各国にロールアウトしていくプロジェクトを統合的に管理する役割を、SHIFTが担ってきているのかな、と思います。

スリカント:そうですね。SHIFTには知見や情報が蓄積されてきているから、いま価値を発揮できていると感じています。

井出:SHIFTでグローバルプロジェクトに携わる面白さは、どんなところにありますか?

室:まず、日本側がGHQとして意思決定し、アジアや欧米など、多様な国々に展開していくダイナミックなプロセスに携わること自体、あまりほかでは経験できないと思うんですよね。お客様のIT投資額も莫大で、新たな国へのシステム展開や、システムそのものの刷新といった話がどんどん出てきて、いい意味で終わりがない!(笑)。ビジネスの大きな変化を実感できますし、次々と違う国と関われるのは、単純に楽しいと思います。

井出:お話を聞いていても、わくわくします!

室:SHIFTは「テスト」「開発」といった1フェーズだけを担うのではなく、PMOからテスト、リリース、現地への展開・導入支援と一気通貫で、プロジェクトのコアメンバーとして入り込んでいくんです。これはとても特徴的な支援のしかたで、すごくやりがいになっています。展開する国も、我々がやっていくこともたくさんある分、各メンバーが適切なポジションで、幅広い経験を積んでいけるのも魅力! プロジェクトのなかでステップアップしていき、スリカントのようなロールアウト全体を見るポジションも目指せます。

井出:スリカントさんはどうですか?

スリカント:マイクロサービスの開発手法を実践できたことですね! 同じコードベースに、国ごとのローカル要件を入れて素早くリリースしていく過程をはじめて経験したので、「あっ、これができるんだ!」という発見を得られたことは大きかったかなと思います。

室:うんうん。

スリカント:こんなにステークホルダーが多いプロジェクトも経験がなくて。でも、それが逆に面白くもありましたね。手探りで進めてきたプロジェクトでしたが、いまでは「新たにもう1ヶ国リリースします!」と突然言われてもすぐに動き出せる状況になっていて、体制が安定してきた感覚があります。

室:お客様がかなり先進的というか、チャレンジングなんですよね。インフラ構築の自動化も進めているし、このプロジェクトのように、複数の国を1つのシステムで同期するのも、効率的に管理する方法論としてのチャレンジであって。そこを開発・テスト側が一緒に考えているという点は、技術的にも面白いですね。

井出:そうなんですね!

室:マイクロサービスで、統一のパッケージを複数国で…という展開をするときよく問題になるのは、国ごとに少しずつ違うことしないといけないからといって、1つずつ別のソースコードで管理するととても煩雑になってしまうこと。全部の国に対応できるソースコードの形をつくるのって、チャレンジなんですよね。逆に、1つのソースコードでの管理は「ある国で変更が、他の国に影響しうる」という側面もあるので、そこをテストも含めてどう解消していくのかというところもまた、技術的なチャレンジです。チャレンジングなお客様の想いに応え、形にしていくことがSHIFTのミッションだと思います。

 

 

室とスリカントの対談・後編記事はこちら

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