男性組織長の育休取得リアルレポ―ト。得られたメンバーの成長とは

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「男性も育休を取ろう!」という社会的な風潮はあるものの、実際は国内の男性育休取得率は約13%と低い数値。(※1)決して定着しているとはいえません。
そんななか、SHIFTでは44%の男性従業員が育休を取得しています。
平均取得日数は79日。中には15ヶ月以上取得した従業員も複数います。(※2)

今回のキャリアトークでは、実際に育休を取得した男性組織長二人を迎え、職場の反応や育休取得後の変化などを赤裸々に語ってもらいました。

※1 2021年度 厚生労働省雇用均等基本調査
※2 SHIFTの数字は2022年8月期実績

組織長の育休取得を、誰もがポジティブに受け止めた

今回の登壇者二名は共に組織長。宗廣は当社の品質サービスを展開する部署のマネジメントを務め、エンジニア数百名をとりまとめています。
一方、早川は人事部のラインマネジメントを担当。年間数千名の採用を推進する組織を束ねており、両名ともSHIFTの屋台骨ともいえる組織を指揮しています。

重要な立場を担っている二人の育休取得について、周囲はどのように受け止めたのでしょうか。

宗廣:「率先して育休をとってもらえると自分も将来とりやすく感じる」など前向きなコメントをもらえました。家族を大事にする姿を見せることが、メンバーに自身の将来を想像させたのでしょう。それが自分にとっても、育休をとる後押しになりましたね。

早川:私は妻が安定期に入ってすぐ、妊娠の旨を会社に報告したのですが、その際に当然のことのように「育休はいつとる?」と上長に聞かれました。「大変だと思うから、家庭にしっかり向き合ってあげて。あとは何とかしておくから」ともいってもらえて。ちょうどパートナーが出産を控えたメンバーが複数人いたこともあって「背中で見せてほしい」という反応でした。業務を巻きとるよ、という姿勢がありがたかったです。

大変だったのは仕事よりプライベートの調整

育休取得において気になることの一つは、業務の引継ぎではないでしょうか。

早川:業務は上長・配下のメンバー、どちらにも引き継ぎました。ちょうどメンバーが半期の目標設定を行うタイミングだったので上長には、「組織の状況はこうで、このメンバーにはこういう経験値やロールを積ませたい」といった、ファクトだけでない自身の想いも乗せた情報を、一人ひとりの数ヶ月後を見据えながら資料にまとめました。
また、日頃から複数チームを連携させ、各チーム長同士が助け合う関係を構築していたことが、不在中の不安を取り除くことにつながったと思います。

宗廣:私は立場的に判断を求められるシーンが多く、その部分の引き継ぎや権限委譲が少し大変でした。けれどマネージャー層の頼もしさに救われて。「あれ、どうします?」「これ、どうします?」と、私の育休期間の対応について率先して確認にきてくれたんです。長く一緒に働いてきた信頼関係もありますし、私の普段の業務を把握してくれていたこともあり、安心して権限委譲ができました。

両名とも口を揃えて話すのが、業務よりプライベートの調整が大変だったという点。

早川:本当にスケジューリングは大事ですね。私は育休開始時期を決めきれない状態で出産を迎えたので、かなり忙しいタイミングがありました。出産後間もなくは、仕事をしながら2歳半の上の子どもと新生児の面倒を並行して見なければいけなかったんです。義理の母が手伝いにきてくれましたが、それでもとても大変でした。
育休開始時期は家族と話し合って決めることとは思いますが、正解はありません。迷いながら、そしてときに「えいや!」と勢いで決める必要があります。それでもいざ子どもが産まれると、想定通りにはいかず大変なこともあるものですよね。

自身の不在がメンバーを成長させ、視座を上げてくれた

宗廣:働き方はそんなに変わらなかったのですが、夕方の子どものお風呂時間はスケジュールをブロックするようになりました。お風呂後のケアを考えたら、子どもの数プラス1人の大人の手があるとよいですよね。仕事柄、ミーティングが夕方に入りがちだったのですが周囲の理解も得られ、調整してもらっています。

早川:お風呂後のゴールデンタイムってありますよね。5分以内に保湿する、みたいな(笑)。私もその時間帯は予定をブロックしています。働き方はかなり変化しました。一番大きな変化はメンバーへの権限委譲が進んだことです。その結果現在は、より視座を上げたミッションを自分自身に課して仕事に邁進できるようになりました。

育休前に業務を整理したことで、マネジメントする立場として取り組むべきところにきちんとフォーカスできるようになったようです。それは組織力の底上げにつながることでしょう。

早川:こんなことをいったらメンバーに怒られるかもしれませんが、自分の業務を任せたことで、メンバーの能力値や視座が強制的に上がりました。復職後にその姿を見られたのはすごくうれしかったです。ただ少し悲しかったのが、私がいなくても組織の目標をほぼ達成していたこと。私自身が「不要論」を自分で感じて、もはやネタにしていました(笑)

宗廣:それは私も同じです。私はいらないのかなって(笑)。そういう不安は生まれつつも、メンバーの姿を見て純粋に「もっと頑張ろう」と思いました。

育休をとって気づけたこと。メンバーとの接し方に活かしたい

育休という制度を使ってみた二人は、どんな気づきを得たのでしょう。

早川:お金回りのことをきちんと調べておかないと困る、というのは伝えておきたいです。育休期間中は給料が出ず、雇用保険から給付金が出ます。その金額は一般的に平均月収の67%(181日目からは50%)なのですが 、実は上限が約30万円とが定められているんですね。しかも給付金支給までのリードタイムがすごく長く、丸2ヶ月間入金がないケースもあるので、これから育休を取得する人は一定の現金がないと暮らせなくなることを心得ておいてほしいですね。(※3)
※3 2023年2月2日現在

宗廣:私も今月は給料がないのだと思ったときに「もう少し計画的にしておけばよかった」と少し後悔しました。勉強不足だったなって。なので今後、メンバーから出産予定を聞いたら、育休を促すだけでなく「制度に落とし穴があるから計画的にね」とひと言添えていきたいですね。

育休を取得したからこそ見えてきたものは、これからのメンバーの働きやすさに活かしていきたい。組織長ならではの大きな学びといえそうです。

宗廣:私は仕事が好きな自分に改めて気づくと同時に、家事育児の両立の大変さが身に沁みました。仕事をしているほうがまだ楽なんじゃないかって率直に思ったんです。だからこそ平日の日中に家事育児を担えないかわりに、深夜から朝方にかけては私が子どもの対応をしたり、週末に育児と家事を担うことを心がけるようになりました。

性別、立場関わらず、誰もが安心して育児をしながら働けるように

男性組織長の育休に関する率直な思いが見えた、今回のキャリアトーク。視聴者からは踏み込んだ質問も多く見られました。その一例が「女性従業員も家庭との両立ができている職場環境か」という疑問の声。

SHIFTでは、子や要介護の家族がいる従業員は、短時間勤務、始業・就業時間の繰り上げ繰り下げ制度など、ライフスタイルに応じた働き方を選択できます。(※4)社内には「パパママコミュニティ」があったり、従業員の家族に向けたイベントが高頻度で開催されたり。
また、代表の丹下はブログで「社員の子は自身の孫のように見える」と発信しています。 (※5)
そうしたイベントやメッセージの積み重ねで、仕事も家庭も共に大事にできるカルチャーが醸成されているのです。
※4 SHIFTの働く環境や制度の詳細
※5 あわせて読みたい丹下のブログ「大の視点」

早川:私の配下には育児をしながら時短勤務で働いている女性が多くいます。ただなかには「正社員で働くのは難しい」という人もいました。その従業員には本人の希望を踏まえ業務委託での関係継続を提案し、現在も働きつづけてくれています。(※6)
型にはめるのではなくケースバイケースで判断していくスタンス、かつ、個々人が大切にしていることを尊重する会社なので、広義で「働きながら育児する」ことは実現できるのではないでしょうか。
※6 2023年2月2日現在

また男性の育休取得率が高いことに対して「全社的な施策を講じているのか」という疑問も投げかけられました。

制度は知らないととりづらかったり推奨しづらいものですので、法律や制度に対するリテラシーを上げる場を都度設けています。そうした制度の周知活動が育休取得率向上につながっていると考えています。

早川:育休の必要な情報がまとまっている『子育てなんでも窓口』をエンプロイーサクセスグループが立ち上げてくれています。「ここさえ見ておけば大丈夫」と情報が一元化されているのは心強いと思います。

性別、立場関わらず、一人でも多くの人が家庭を大事にしながら、安心して仕事にも集中ができる。多様なバックグラウンドの従業員が在籍するSHIFTだからこそ、一人ひとりがより働きやすい職場に繋げていくべく、環境を見直しつづけます。

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