2022年11月17日。「女性の“ライフ”を起点にしたキャリアプラン」をテーマに、キャリアアドバイザー、SHIFTのエンジニアそして人事の異なる立場の三者でディスカッションを行う、ウェビナーを実施しました。(※1)。
本記事では、このウェビナーの様子をレポート形式でお届けします!
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※以下敬称略
ウェビナーの第一部では、株式会社リクルートで、キャリアアドバイザーとして活躍をされている岩山氏をお迎えし、キャリア形成のHow Toについてお話をしていただきました。
キャリア形成を考えるうえで大切なこと
岩佐:岩山さんは、これまで700名近くの方の転職支援をされてこられました。キャリア形成を考えるうえでの“コツ”みたいなものはあるのでしょうか?
岩山:自分の過去・現在・未来を立ち止まって考えることですね。ありきたりなように感じるかもしれませんが、あえて時間をとって考えている方は少ない印象です。特に女性は、ライフイベントが仕事に与える影響が大きいので、プライベートを含んで考えていただくことが重要だと思います。
「これまで自分がどんなことをやってきたのか」という過去を振り返ることと、「どんな環境で働きたいのか」「家族を築くのであれば家族とどんな関係を築きたいのか」と、未来のありたい姿を考えることで、未来といまを比較し、自分の「現在地」を知ることができます。
岩佐:特に若い方だと、未来を考えること自体がむずかしい、というケースもあると思いますが、その場合はどうしたらよいでしょうか?
岩山:未来設計、キャリア形成というと、小難しく考えられがちですが、仕事でもプライベートでもいいので、ポジティブになる瞬間、逆にネガティブになる瞬間を平易な言葉で洗い出すことが大事です。心が動かされるシーンがどんな場面なのか、なぜ楽しかったのか?なぜモチベーションが上がったのか?を掘り下げた先に「今後やりたいこと」のヒントが埋もれていたりします。
また友人、同僚、上司、私たちのようなキャリアアドバイザーなど、他者との会話から見えてくるものもあると考えます。「私はこういうことが得意で、こういうことやっていきたいと思っているのだけどどう思う?」と尋ねた先に、実は、自己認識している自分とのギャップに気づかされることがあるんです。
岩佐:キャリア形成や転職というと、仕事内容のレベルから考えることが多いと思いますが、まずは自分を起点に、もっと根底にある部分を見つめ直すことが大事なんですね。
岩山:これはデータ上でも表れていますし、転職を考える方とお話をするなかでも感じることですが、会社軸というよりも、どういったプライベートを過ごしたいか、や、キャリアステップを歩みたいかなど、“自分軸”で考える方が増えてきたと感じます。コロナ禍を経て、その傾向はより強くなっていますね。
転職市場・労働市場の考え方の変化
岩山:個人だけでなく、企業の考え方も変わってきています。特に、「越境転職」を歓迎・推奨する動きが顕著ですね。「越境転職」とは、現職とは異なる異業種、異業界、異職種への転職を指しています。“異能”が組織に加わることで、事業に新しい視点が入り、市場において事業のコモディティ化を防ぐことができると考えられています。少し前までは、同業種・同職種のスキルや経験値が最重要視されていましたが、そこだけではない、という考え方に変わってきていますね。
岩佐:SHIFTも以前よりエンジニア未経験の方の採用を行っていますし、従業員のバックグラウンドもとても多様です。ある意味異能だらけな企業カルチャーです。
岩山:そうですね、サービス業界や営業職からエンジニアに越境転職された事例が増えてきましたね。経験やスキルも勿論大事ではあるのですが、志向と仕事へ向き合うスタンス、そして、仕事の進め方、対人関係の築き方といったポータブルスキルが重要視されています。志向面でいうと、例えば、「なんでエンジニアをやりたいのか」という動機があり、その動機を追求することで自身の根本にある価値観にたどり着くことができます。「なぜこう思うのか」を自分に繰り返し問うた先にある想いが重要であり、企業サイドもそれを聞きたい、と考えています。
岩佐:前述いただいたとおり、改めて、自分にとってのやりがいやモチベーションを見つめ直すことが、いかに重要であるかを感じます。そういった意味で、SHIFTは、従業員個々人のモチベーションに寄り添うことができる職場環境であると自負できます。
ウェビナーの第二部では、当社の別府が登壇し、キャリアヒストリーの紹介を行いました。
仕事と子育ての両立
岩佐:別府さんは中学生のお子さんがいらっしゃいますが、これまで、仕事と子育ての両立において、困ったことはありませんでしたか?
別府:壁は何度もありましたが、大きく三回です。一回目が子どもの保育園転園です。育休からの復職時にかろうじて入れた保育園が、2歳までしか在籍できない園で、3歳になるタイミングで転園をすることとなりました。慣れ親しんだ環境の変化から、毎晩泣きながら眠る子どもを見て「子どもに負荷を感じさせてまで仕事をつづける意味はあるのか?」とずいぶん悩みました。
二回目が小学校入学後に学年があがり学童を退去しなければならなくなったことです。リモート環境でなかったため、仕事の終業時間まで毎日子どもを預けられる場所がなくなってしまう、と焦りました。
そして三回目が中学受験です。数回にわたる学校説明会や受験日が、基本的に平日日中に行われるため、仕事の調整が必須でした。
岩佐:そういった壁をどう乗り超えたのでしょうか?
別府:ポイントは3点ですね。相談相手をつくること、あらゆる方面から情報収集をすること、そして仕事を一人で抱えないこと、です。
1点目は相談相手の存在はとても大事でした。家族や同じ保育園のママ友に、自分や子どもの苦しい想いを相談し、共感と応援をもらうことで一時の罪悪感を払拭することができました。また、コミュニケーションの輪を広げることは、2点目の情報収集面でも活きてきます。情報収集網を広げた結果、学童問題も解消できました。
3点目は仕事を属人化させない、という意味ですが、タスクレベルで仕事を見える化し、組織の誰が見ても、私がどんな仕事をどう対応しているのか、が把握できる状態をつくりました。私が子どもの受験対応で不在にしている際も、組織間の連携不和は一度も起きませんでしたね。
岩佐:何事も、一人で抱えないということが大事なんですね。情報収集もついつい自己完結しがち、狭い範囲に閉じがちですが、普段からコミュニティを広げておくことで得られる情報もありますよね。SHIFTにも、『パパママコミュニティ』(※2)というものがあり、例えば、「子どもの保育園がコロナ禍で急遽閉園となり在宅育児となった際にどう乗り越えるのか?」「保育園の見学において見るべきポイント」など、相談やナレッジが飛び交っています。子育ての大変さというのは、方法論やロジックではどうにも対処できないことが多く発生しがちです。同じ状況の方と共有し合うことで気持ちの面で救われることもたくさんあるかと思います。
※2 パパママコミュニティ
リモート環境下でも横のつながりをもつことを目的とした社内プロジェクト「つながりプロジェクト」の施策の一つ。同じ境遇、趣味の人たち同士でのコミュニティがある。子どもをもつ親が参加する社内のチャネル上で、日々コミュニケーションが行われている。
子育てをしながら転職
岩佐:別府さんはお子さんが小学校6年生になられるタイミングで、SHIFTに転職されました。お子さんの受験のタイミングでもあり、大変だったのでは?
別府:いろいろなことが重なった結果、転職の決断をしました。先ほども触れた通り、身近なコミュニティ以外の方と会話をする機会を増やすなかで、培ってきたスキルを今ある環境以外でも活かすことができるのでは、と思えるようになったことが大きいです。真面目な方ほど当てはまるかと思いますが、子育てをしながら仕事をしていると、「会社」or「家庭」の2つのシーンしか見えなくなりがちです。しかし、ふと立ち止まり自分のいまの状態を見つめ直したことで、まさに先ほど岩山さんがおっしゃった、自分の「現在地」に気づくことができました。いろいろな選択肢はありましたが、SHIFTに決めたのは、培ってきた経験のなかで「自分が一番大切にしたい」と改めて気づかされた「品質保証」をより掘り下げられる環境であったことが理由です。
岩佐:やはりここでも、視野を広げて、外との関わりをもつことが大事だったんですね。かつ、キャリアを顧み、大切にしていることを深堀りしたことで、ご自身の価値観に気づき、SHIFTに決められたのだとわかります。
別府:SHIFT入社後も、つねに自分の「現在地」を意識しています。SHIFTでは個人目標設定の場が、そのまま自己を振り返る場でもあるんです。数年後のありたい姿、そのありたい姿のために必要なことは何か、そのために目下、克服しなければならない自分の課題は何かと、理想の将
来図からブレイクダウンして自己の「現在地」を見つめることができる仕立てになっています。
岩佐:そうですよね、評価制度そのものが、先ほどの岩山さんのお話にもあった過去、現在、未来を考える場になっています。
転職・キャリアチェンジによって、新しい能力を身につけられるのは理想的かと思いますが、本当にそれが身につけられたのか棚卸しする時間を意識して設けることが重要だと感じます。SHIFTの評価制度は、自身のライフとキャリア形成を、自然と照らし合わせられる仕組みになっているともいえますね。
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