2021年3月19日、「ビジネスを『賢人』から学ぼう」をキャッチコピーに、「SHIFTゼミナール」がオンラインで開催されました。著名な経営者の話が聞ける密談も放送。今回、丹下が対談したのはfreeeのCEO佐々木大輔さん。いったい、どんな濃い密談だったのか。そのポイントをまとめましたので、ぜひご覧ください。
どんな「密談」が行われたのか。 まとめはこちら!
丹下からの質問:freeeの株価についてどう思っているのか?
- 「イベントに参加されるのは珍しいです」と、丹下が佐々木さんを紹介
- そして、最初の話題としてfreeeの時価総額に関する話に
- freeeの時価総額は現在約5,000億円 ※2021年3月19日時点
- そこで、丹下より上記の本日最初の質問
- 「あまり株価は意識せず、ご期待いただいているのかなと思っている」と佐々木さん
丹下からの質問:2013年「LAUNCHPAD」で優勝できたのは、なぜ?
- 佐々木さんと丹下の出会いは、2013年、経営者や投資家などが集まる招待制のカンファレンス「IVS」
- そのとき、スタートアップのためのピッチコンテスト「LAUNCHPAD」で佐々木さんは優勝した
- 「優勝は狙っていたのか」と丹下が聞くと、「狙っていなかった」と佐々木さん
- そこで丹下が優勝できた理由を尋ねると…
<<優勝するまでの佐々木さん>>
- 当時、佐々木さんは「LAUNCHPAD」がどんなものなのかあまり理解していなかった
- 準備は、過去に「LAUNCHPAD」で優勝した人の動画を視聴するくらい
- しかし前日、知り合いの経営者から「プレゼンを暗記していないの?」と指摘されて不安に
- 慌てて練習をした思い出がある
- 「LAUNCHPAD」では「みなさんに知ってもらえたらいいな」という想いで佐々木さんは参加した
佐々木さんのお母さんがキッカケで自身に変化
丹下からの質問:佐々木さんはどんな経歴なのか?
- 佐々木さんは面白い経歴のもち主であることを丹下が紹介
- そこで改めて佐々木さんに経歴を語ってもらうことに
- 佐々木さんは2012年にfreeeを創業
- その前の5年ほどGoogleで中小企業向けのマーケティングをやっていた
- Googleのインターネット広告の広告主を増やすマーケティング活動が主な業務
<<Googleでの経歴>>
- 佐々木さんは、リーマンショックの年にGoogleへデータサイエンティストとして入社
- 当時、同じチームだったのは、アメリカの博士号をもっているような人ばかり
- 「落ちこぼれだった」と佐々木さんは回想
- そんなときリーマンショックが起きた
- 佐々木さんは、よりお金を生むチームに異動
- 中小企業向けのマーケティングを担当することに
<<Googleでのエピソード>>
- 佐々木さんの実家は美容室
- 佐々木さんがキャンペーンで出したDMに、なんと佐々木さんのお母さんが反応
- 「私もGoogleに広告を出してみようかな」とお母さんが発言
- 実際のところ、町の美容室がGoogleに広告を出しても成果は得られにくい
- しかし「中小企業の人たちが想像もしていなかった新しい技術に出会って、選択肢が広がることはすごいことだ」と気づいたという佐々木さん
- それまで仕事はスキルがより身につくのか、お金をより稼げるのかという視点でしか興味がなかった
- しかし、この出来事をキッカケに「仕事って世の中に対して意味がありそうだ」と自身に変化が
- 一言でいうと「仕事が楽しくなった」と佐々木さん
丹下からの質問:Googleでたくさんのデータを見ていて「中小企業がいける!」と思ったのか?
- 「当時、海外ではビジネスにおける中小企業のシェアが高かった」と佐々木さん
- だからこそ、やりようがあると思った
- 佐々木さんが「Japan is different症候群」とよんでいるものがある
- 当時、Googleですら海外でやっているものを日本でやろうとすると反対する人が必ずいた
- みんな「日本はほかの国と違うんだ」と言いたがる
- そういう状況こそ「Japan is different症候群」
- 「Japan is different症候群」に陥る理由は日本人の「プライド」
- 海外でうまくいっていることを、日本でみんなとり入れようとしない
- 当時、そんな反対を押し切って中小企業向けのマーケティングやってみると…
- 確かに、日本と海外でキャンペーンの反応が違い、評価の仕方が少し異なる部分もあった
- しかし、海外の中小企業で起こっている7~8割の事象が日本でも当てはまることが判明
<<日本で施策が失敗する理由>>
- ここで、インターネットの施策が日本で失敗する理由を佐々木さんが紹介
- インターネットに馴染みがない人は、あまりインターネット広告を利用しない
- リテラシーが高い中小企業に対して、インターネット広告を使いやすくしていくべき
- 自分達でサインアップしてくるお客様は重要
- しかし「みんなインターネットがわからないから」とひとくくりにしてしまうのが日本
- そしてオフラインの施策をはじめてしまう
- リテラシーが高い人からターゲットにしていくというやり方は、どこの国も同じ
- ついつい「日本の中小企業はテクノロジーをわかっていない」と順番を考えずに施策をうち、失敗してしまう
会計ソフトを新しいコンセプトでつくり直す
丹下からの質問:freeeを創業するきっかけは?
- 佐々木さんはGoogleに入社前、ALBERTでCFOをやっていた
- そこで、いろいろな入力作業を必要とする経理の大変さを実感
- ボトルネックとなっていたのは会計ソフト
- 当時から、佐々木さんは「入力がいらない会計ソフトをつくれる」と思っていた
- Google在籍時、その想いをふと思い出したという佐々木さん
- 中小企業のクラウド化を考えたときに、会計は保守的な部分になる
- ここを変えることができたら「面白い」と感じた
- 「スモールビジネスにおける、デジタル活用の転換点を創り出せる」と佐々木さんは確信
- 会計ソフトを新しいコンセプトでつくり直すということを考えはじめた
- Instagramのエピソード※を聞いていたため、自分でコーディングを勉強してつくりはじめればいいと思ったことがはじまり
- 「そこからコーディングを勉強しはじめたんですか」と丹下は驚愕
※Instagramのエピソード
- かつてInstagramの創業者はGoogleのマーケティング部門に在籍
- Google内で事業化しようと思ったが、実現しなかったため、自分でコードを書いてInstagramをやりはじめた
丹下からの質問:なぜ、自分で会計ソフトをつくろうと思ったのか?
- もし使用している会計ソフトが不便だと思ったら、別の会計ソフトに変更すればいい
- 会計ソフトが不便だと思っても、エンジニアになって自分で開発しようとする人はいない
- そこで、その理由について佐々木さんに迫る丹下
<<佐々木さん自身が開発をやろうと思った理由>>
- 佐々木さんは大学のころ、簡単な分析用のコードは書いたことがあった
- しかしWebアプリケーションをつくった経験は皆無
- 知り合いのエンジニアが「最近、Webアプリケーションをつくるのが簡単」と話しているのを聞いた
- 「『じゃあできるのかな』と思った」と笑いながら佐々木さん
- Instagramの創業者も勉強してシステムをつくり上げた
- 「だったら勉強すればできるのかな」と佐々木さんは笑顔で自分がエンジニアになって開発をしようと思った経緯を説明
経営の根幹を変えるようなことをしないと何も変わらない
丹下からの質問:もともと起業しようと思っていたのか?
- 「そんなことは思っていなかったですね」と回答する佐々木さん
- ある日、日本の中小企業のテクノロジー活用がどうしたら進むのか考えた
- Googleでインターネット広告をやっていたが、これだけで問題が解決していくのか疑問に
- 当時の上司はアメリカ在住のオランダ人
- その上司が日本にくると中小企業がFaxをつかっていることに驚いていた
- このFaxをなくすために何をしたらいいか考えていくと、経営の根幹を変えるようなことをしないと何も変わらないと思うように
- そこから、「経理ソフトを変えること」に辿りついた
<<丹下が語る佐々木さんのすごさ>>
- 自分で仕様を考えて、自分でコーディングできるのは大きい
- しかも佐々木さんはCFOをやっていた
- そのため、会計ソフトをつかうお客様の悩みもわかる
- 悩みを解決するためにコーディングすることも可能
- お金を集めてSIerに頼む必要はない
- 佐々木さんのすごさを丹下がそう話し、次の質問へ
丹下からの質問:最初のソフトは、どれくらい開発に時間がかかったのか?
- 佐々木さんの返答は「9ヶ月です」
- Googleに在籍しているときから開発をスタート
- しかし、つくりはじめてみると一人では埒が明かないと実感
- いっしょに開発してくれるエンジニアを探したところ、現在のCTOと出会うことに
- そして2人でfreeeを設立した
丹下からの質問:CTOの方は、どうやって探したのか?
- 「Googleの同僚が大学時代に所属していたサークルのFacebookコミュニティに書き込みをして、そこから知り合いました」と詳細を教えてくれた佐々木さん
- 丹下曰くそのCTOの方は「運命の人」
- 現在も、もちろんCTOとしてfreeeに在籍しているとのこと
丹下からの質問:資金調達はしたのか?
- 「途中で5,000万円ほど資金調達しました」と佐々木さん
- 当時、ベンチャーキャピタルをいくつかまわった
- しかし、プロダクトもできておらず、BtoBのクラウドサービスという流れもなかったため、その多くが薄い反応
- 日本のVCによく聞かれた質問は「そもそも現行の会計ソフトにどうやって勝つんですか」
- 佐々木さんが「インターネットを活用すれば勝てる」といっても信用してくれる人は皆無
- それでも調達できたのは偶然
- 出資してくたのはDCM
- DCMの本拠地はシリコンバレーにあったため、会計ソフトはクラウド化するのは当たり前という考えだった
リリース時、freeeほどつくり込んだ会計ソフトはなかった
丹下からの質問:最初、freeeはどこに機能を絞って開発したのか?
- 佐々木さんが注力した機能は、インターネットバンキングと連携して入出金明細をとり、機械学習で会計の仕分けをしていく機能
- この機能が当時は新しかった
- 「世界中の会計ソフトでも、そこまでつくりこんだfreeeのような機能はなかったのでは」と佐々木さん
丹下からの質問:このキラー機能は狙ってつくったのか、たまたまキラー機能となったのか?
- 佐々木さんが答えたのは「両方」
- 開発当初、先述の仕分けをするキラー機能をつくりたかったが、技術的にできるかどうかは不明だった
- 「最悪、その機能が開発できなかったら別の機能で勝負しようと思っていた」と佐々木さん
<<キラー機能が実現できたときのエピソード>>
- ある日、キラー機能を実現するため、どうやったら銀行からデータをもってこられるかCTOと昼を食べながら会話
- そして、どちらが早くそれを実現するか勝負することに
- 勝負して1分後、CTOから「できた!」と勝利宣言
- その偶然がなければ、構想があってもキラー機能にはならなかった
丹下からの質問:機械学習で仕分ける機能は、OCRに近いのか?
- 機械学習機能について佐々木さんが説明
- タクシー会社のような明細ならば交通費と機械が判断するよう分類をしていく
- 丹下から機械学習は「大量のデータがなければ実現できなかったのでは?」とさらに質問が
- 開発当初、佐々木さん達はもちろん大量のデータをもっていなかった
- しかし、大量のデータをもっていなくても、ある程度のことを機械ができるよう工夫
- リリースすれば大量のデータが自然と出てくる
- 大量のデータが出てきてから精度を上げていった
丹下からの質問:精度が上がるまで、どんなチェックをしていたのか?
- 「仕分けが間違っていたら、多くのユーザーは自分で直してくれる」と佐々木さん
- そうすると勝手に正解に近づいていくという仕組み
- 非常にクレバーな仕組みを佐々木さんが紹介
失敗したと思っても、別のイノベーションが起きている
丹下からの質問:サービスをリリースしたとき、どうやって売り込んでいったのか?
- 「ほぼWebだけだった」と佐々木さん
- それを聞き、丹下は「すごい!できるものなのですか」と驚きを隠せない様子
- 「できるものなんですね」と佐々木さんはニッコリ
- リリースしてみると、ブロガーが「こんなサービスを待っていた」と書いてくれた
- インターネットがつかえる人だけがサービスをつかえればいいという考えで当初はスタート
- そのためリリース時はIE未対応
- 蓋を開けてみるとIEでアクセスしてくる人はほとんどなし
- 7割がMacからのアクセスだった
- かなり偏っていたが、偏った人達がハッピーになってくれたらいいというのが最初の発想
- これが会計ソフトで成り立つというのが、みんなは想像をしないところ
- 丹下が「個人事業主の確定申告がきっかけで、サービスがヒットしたんですか?」と尋ねると…
- 佐々木さんは「まさに、ヒットした要因は個人事業主の確定申告です」と返答
丹下からの質問:これまでにどんな苦労があったのか?
- しばらく考えて佐々木さんが苦労したエピソードを紹介
- いっきに採用して大きな営業チームをつくった
- しかし、リードがなく、アンバランスな状態に
- ROIが下がり、投資効率も悪い状態となり、失敗だと当時は思った
- 「でも、長い目で見るとそういうときに別のイノベーションが起きるんです」と佐々木さん
- 人があまっているから、会計事務所向けのサービスにも進出し、これまで行っていなかった大きな企業にもアプローチ
- どこかでやろうと思っていたことを、そのタイミングで実施した
「スモールビジネスを助ける」というコンセプトが、エンジニアにとってわかりやすかった
丹下からの質問:日本に、先人がいないことをどう思っていたのか?
- 当時、日本ではSaaSのサービスで資金調達をうまく行い、ユーザー数を増やしている企業はなかった
- そのため先人がいない
- 佐々木さんは、そのような状況をどう思っていたか丹下が質問
- この質問を受け「世界ではSaaSのビジネスモデルは確立していた」と当時の状況を佐々木さんが説明
- かつて、アメリカで行われたSaaS業界のイベントに参加
- そこではすごい人数が集まり、セッションでは細かい質疑応答が行われていた
- 佐々木さんはそんなイベントの盛況ぶりに「燃えました!」
- イベントに参加し、1つの分野だけでこんなにビッグイベントが開催できるほど、SaaSは大きな産業なんだと実感
- 「いつかこんなふうに日本もなるのかとワクワクしましたね」と佐々木さん
- もともと佐々木さんは「Japan is different」という考え方がよくないという経験のもち主
- その経験があったため、佐々木さん曰く「するっといけた」
丹下からの質問:当時、採用面でどうやってエンジニアを口説いていったのか?
- freeeが創業したころ、SaaSビジネスではSalesforceのような外来のものはうまくいった
- しかし「和製のSaaSはうまくいかなかい」というイメージが定着
- どうやって優秀な人材を採用していったのか丹下が質問
<<エンジニアの採用が成功した理由①>>
- その時代を振り返る佐々木さん
- 当時は、ゲーム業界が無尽蔵に成長するわけではないことがわかってきたころ
- そのような時代のなかで、freeeは「スモールビジネスを助ける」というコンセプトを発信
- 「このメッセージがエンジニアにとってわかりやすかった」と、採用がうまくいった理由を佐々木さんは分析
<<エンジニアの採用が成功した理由②>>
- さらにエンジニアが採用できた理由をつづける佐々木さん
- 会計ソフトは多くのエンジニアに馴染みがある領域
- コンピュータにおける最初のビジネスへの応用は会計ソフト
- キャリアのなかで何かしら会計ソフトに関わったエンジニアは多い
- そういうキャリアを有したWebエンジニアにとって、完全にWebで会計ソフトをつくろうとしていることはテーマ的に面白くうつった
- 「やらせてほしい」と手を挙げてくれるエンジニアは多かったため「ありがたかった」と佐々木さん
経営で大切にしてきたのは、KPI設計とカルチャー、目標管理のバランス
丹下からの質問:当時、何をセンターピンに経営をしていたのか?
- 佐々木さんは「バランス型」と自身の経営スタイルを分析
- 「これだ!」というよりは、バランスを重視
- KPI設計とカルチャー、目標管理、これら3つのバランスがとれていることを大切にした
- この3つがまわっているときは、うまくいく
- うまくまわっていないときは、この3つを修正しないとどうあがいてもダメ
<<KPI設計について>>
- KPI設計の詳細を丹下が尋ねると、佐々木さんが回答
- KPIはCPA、LTV、チャンレートなど
- それらのどれを優先するか決めてやってきた
- 「唯一これだけを追いつづけるものはない」と佐々木さん
- もちろん中長期的に追うものはあるが、そのタイミングによってKPIは変わってくる
丹下からの質問:参考になるような、フェーズごとに追うべきKPIはあるのか?
- 「最初はちゃんとサクセスできるか」と佐々木さんが話し、まず大切にすべき事項としてあげたのはプロダクトマーケットフィット
- 実は、佐々木さんが開発した最初のプロダクトでは、この点を重視していかなった
- 反省を込めて、最近はプロダクトマーケットフィットを重視しているとのこと
- そして、次のフェーズで重要になってくるのが「ユーザー数をどう増やせるのか」
- 増やすやり方がわかったらROIやチャンレートを見はじめる
<<ROIの注意点>>
- ROIに関して佐々木さんは注意すべきことを指摘
- ROIを見はじめると、新しい施策ができなくなってしまう
- 間接販売やオフラインの集客をはじめるとROIも変化
- そういうときに投資フェーズに入ることを受け入れ、別で見ていくことが重要
丹下からの質問:freeeが大切にしてきたカルチャーとはどういうものか?
- この質問に佐々木さんの口から出たのは「ユーザーにとって本質的な価値があると自信をもって言えることをする」という言葉
- 「なぜ、これは価値があると言えるのか。それに腹落ちするのか」を重要視している
- 「価値がある」と自信をもって言えるならうまくいき、意味があるはず
- 「みんながほしい」「儲かる」ということを判断軸にしない
- そこを徹底している
- これらを守っていれば、ボトムアップで自由にやってもかまわない
丹下からの質問:「本質的な価値」は、どうやって見極めているのか?
- 「人よって見方は変わってくる」と佐々木さんは前置き
- そして「本質的な価値があれば説明ができるんです」と佐々木さん
- たとえば、その機能があることによって、これだけの時間が理論的に節約できるはずであるなど
- サービスがBtoBであることもあり、価値を換算することが可能
- 「本質的な価値」を追求することなしに、雰囲気で決めない
スモールビジネスをやっている人たちが簡単に経営できるプラットフォームに
丹下からの質問:今後、サービスとしてどんなイメージを描いているのか?
- 「スモールビジネスをやっている人たちが簡単に経営できる、プラットフォームをつくっていきたい」と佐々木さん
- あらゆるビジネスに、freeeのサービスが使われることを目指していく
- たんに会計ソフトを自動化したいのではない
- スモールビジネスをやっている人たちが共通でもっているような業務オペレーションをワンストップ化し、より業務を自動化していきたい
- そういうイメージがあるため、会計だけでなく、人事労務に関するサービスも展開してきた
- 最近では、プロジェクトの収益性を管理するツールも提供中
- 少しずつ領域を拡大してきているが、さらに業務領域を広げていきたい
- freeeを使っていると業務も自動化でき、経営も自動的に可視化されるのが理想
<<さらに目指す世界>>
- そして、さらに佐々木さんは今後について言及
- ビジネスで取り引きする際、見積を出し、契約を行い、請求することをしている
- それは大きな事務コスト
- お互いにfreeeを使っているならfreee上で取り引きできるようなプラットフォームに近づいてきている
- 「そういう世界をさらに実現していきたいんです」と佐々木さん
- また、人口知能CFOが経営のアドバイスをしてくれる世界も創っていきたい
- 佐々木さんのビジョンを聞き、「わくわくしますね」と丹下
丹下からの質問:スマートに取り引きができる世界や人口知能CFOは、海外ですでに実装されているのか?
- 佐々木さん曰く「会計ソフト上で取り引きが完結できるサービスは、少し実現されている」とのこと
- 人工知能CFOはまだ誰もやっていない
- 「人工知能CFOは、誰が最初にできるのか」と佐々木さん
- 人工知能CFOの実現を丹下が切望
- 現在、SHIFTではCFOが不在(2021年3月現在)
- SHIFTでは、いろいろ仕組みをつくっているが、ある程度、人間の判断がいらないところまでは全自動化したい
- 「アーティスティックなところだけ人間がやるべき」と丹下
丹下からの質問:人工知能CFOに関しては、すでに実現のアイデアがあるのか?
- 「まだまだ全然です」というのが佐々木さんの答え
- しかし、かつてデータサイエンスにふれているため、会計ソフトが人工知能CFOに進化していくということにワクワクしている
- 「ただ、そこだけを考えているとその未来は近づいてこない」と佐々木さんは指摘
- まずは、みんなに使われることが大事
「何でもやってみる」ことが原動力
丹下からの質問:これまで、佐々木さんは誰かに経営を学んだことがあるのか?
- 「佐々木さんはエンジニア、CFO、経営者すべてができる」と丹下
- バランスがとれている佐々木さんに丹下が上記の質問
- 「実践で小さな失敗をしながら学んできました」と明かす佐々木さん
- 佐々木さんにとって「何でもやってみる」ことが原動力
- この考え方はfreeeのカルチャーにもなっている
<<開発部門の責任者について>>
- freeeにはCTOとは別に開発部門の責任者がいる
- その責任者は、従業員第1号
- しかも、エンジニア経験がいっさいなく入社
- freeeに入ってから勉強をしてエンジニアになった
- その責任者は、開発組織のマネジメントやカルチャーづくり、人材育成に優れている
- おかげで、現在、組織は順調
- 日本でゼロから新しいBtoBのWeb開発組織をつくった経験がある人はいなかった
- 経験よりも、どれだけいっしょに新しいことを勉強していけるか
- 採用する際も、経験だけを見ない
- どういう伸びしろがあるのか、やったことがないことでも新たに勉強してやっていけるか見ている
- いろいろな面で「『何でもやってみる』というカルチャーが浸透しているのでは」と佐々木さん
最初にあがった非難をどう乗り切るか
丹下からの質問:現在の従業員数は?
- 「500人ぐらい」と回答した佐々木さんに「マネジメントが大変なのでは?」と丹下
- 「コロナだから、顔を合わせる機会が減り、従業員を覚えられなくなってきますね」と現在の状況を語る佐々木さん
丹下からの質問:リモートワークとなって、どんな学びがあったのか?
- 佐々木さんがリモートで気づきがあったのは、イベント
- オンラインでもイベントは面白くなると思ったとのこと
- そして、社内ベントについて佐々木さんは紹介
- オンラインイベントの際、イベントパッケージを従業員に送る
- イベントプログラムにあわせて、みんなで箱を開けて同じ食事やグッズを楽しむ仕組み
- さわることができる物理的なものを手に取りながらやると、画面と向き合っているだけではなく、体験になっていく
丹下からの質問:どれくらい出社していて、出社した際に大切にしていることは?
- 現在、佐々木さんは週2回ほど出社
- リアルに従業員と会うと1分ぐらいの会話がたくさんできる
- 「その効率のよさを実感しますよね」と佐々木さん
丹下からの質問:最後、ビジネスがうまくいくためのメッセージを送るなら、どんなメッセージを送るのか?
- 最後に佐々木さんからメッセージ
- 最初「あれができない、これができない」とみんな非難する。リモートワークもそうだった
- しかし、気づくとむしろ非難した方のものがよかったりする
- どんな場合も最初に非難はあがる。それをどう乗り切るか
- 「非難したことは、みんな1ヶ月で忘れる」と佐々木さん
- 「だから、非難は気にしない」と佐々木さんから貴重なメッセージが送られ、本日の密談は終了!