SHIFTがゲーム業界に参画したときはテスト事業からのスタート。
近年、プランナー/ディレクター/プロデューサーの方々を支援するため、開発上流フェーズでの課題解決のためのサービスが立ち上がり、いまや、QA領域だけではなく、全方位で支援ができるようになってきています。
自社開発企業ではないからこそ生まれる「新しいゲームづくり」。今回のインタビューではSHIFTらしいゲームづくりへの挑戦ストーリーをお届けします。
※第2弾記事はこちら『ゲーム業界におけるNextキャリアを語る!』
※第3弾記事はこちら『エンタメ領域のプランナー、PMが語る、現場の最前線』
いままでの経験を活かして、ゲーム業界で働く方を支えたい
佐々木:第2弾記事では、小針さんから「プロデューサーサポート」という、開発最上流のところから入り込んでお客様の プロジェクトの課題に合わせて解決策を提案、推進していくサービスの立ち上げの話を伺いました。改めてサービスを立ち上げた背景を伺ってもよろしいでしょうか?
小針:僕はもともとゲームの開発・運用の現場に十数年身をおいていて、大手のゲーム会社にて新規開発/運用管理~予算策定/管理まで幅広く経験させてもらっていました。ただ、大手の会社であっても、ヒットタイトルづくりにおいては、まだまだ改善点があると考えています。例として昨今モバイルゲームのリッチ化が進み、高品質なアセット制作・複雑化した開発体制のなかで、長期化した開発期間を各分野のプロフェッショナルが毎日のように品質向上のために努力をしています。
そういったプロフェッショナルが集まった大所帯のチームほど、現場レベルでの意思決定やフローに関しての些細な課題は多く存在し、少し目を離していると翌日にはとり返しのつかない事態に発展してしまっていることも多々あります。
このような現場を見てきて、開発/制作を進めていくなかで効率化の観点で改善が見込める点があると思っていましたし、どのゲーム会社も苦戦しているような状況だと感じていました。
僕が転職を考えていた2021年ごろ、SHIFTではQAから上流工程の「売れるサービスづくり」に寄り添い、ヒットタイトルの創出に貢献しようと、新たな事業戦略を展開・拡大しようとしている最中で、SHIFTならば僕が長年感じてきた業界の課題感に対して、自分の経験・知見を活かしつつ、新しいチャレンジができるのではないかと思って入社しました。
その新しいチャレンジがまさに「プロデューサーサポート」です。ゲーム会社各社の事業・開発課題に対してさまざまな解決策を提案・推進していくことで、ゲーム開発に携わる人たちをもっと支援していきながら業界を盛り上げていけるようにと、サービスを立ち上げました。

佐々木:素敵です!プロデューサーサポートが立ち上がったおかげで、SHIFTがゲーム開発においていままでにはない関わり方ができるようになっていますよね。佐藤さんは小針さんの約1年後にご入社くださっていますが、小針さんが感じてこられたような開発の課題感を同じく感じていらっしゃったのでしょうか?
佐藤:そうですね、私はゲーム会社に在籍していたこともありますが、SHIFTに入る直前はフリーランスとしてさまざまなゲーム会社とお仕事をさせていただいていました。そういったなかで昨今のゲーム開発の課題感は感じていました。1タイトルに何億円もかけたプロジェクトがうまくいかず、心が折れてしまいゲーム業界がつまらないなと去っていた方を何人も見てきました。それはとても寂しいことですし、いろいろなタイトルがちゃんと売れて、つくっている人たちに幸せが広がるといいなと思っていました。そんななかで、SHIFTに出会い、プロデューサーサポートを知り、このようなサービスがあれば、ゲーム会社さんも楽しくゲームがつくれると思っていたので、SHIFTの考えに賛同して入社を決めました。
佐々木:SHIFTのエンタメ領域は『ゲーム開発にかかわるすべての人を幸せに』というミッションを掲げていますもんね。共感いただけてとてもうれしいです!
チームメンバーの強み・経験を活かし、さらに進化したプロデューサーサポート
佐々木:プロデューサーサポートのサービスの立ち上げ以降、一緒に進めるメンバーも増えていったかと思いますが、具体的に変わったことはありますか?
小針:お客様の課題に対して解決の幅が広がり、提供できるサービスの質が上がったと思っています。いまは、同じようなゲームでもターゲットが違ったり出す時期によって同じものをつくっても売れなかったりするんですよね。数年前は中身が一緒で皮が違うIPでも売れていたのですが、いまは違う要素としてゲームのシステムそのものを変えたり、新しいチャレンジしていかないと売れない時代になってきていると感じます。
1つのタイトルで3、4年、何十億円とかかけているので、ブラウザ時代だった数年前から開発もかなり複雑化していると感じますね。例えば、絵だけでも3Dとかエフェクトもあってボイスもついてとか。オープンワールドでいうとものに対するリソースも増えているし、開発に対しても高負荷な状態でも処理するバックグラウンドもあるし…そのため、さまざまな領域のプロフェッショナルが揃っていないとゲームをつくることがむずかしくなっているのが現状です。専門知識はもちろんのこと、ヒットタイトルを出すためにどれだけ試行錯誤したか、再現性の高い経験をしてきた方々が必要です。
そのような開発環境における変化があるなかで、いまの私のチームのメンバーは、プロデューサーやディレクターの経験はもちろんのこと、バックボーンや強みもさまざまで、スキル・経験の幅がとても広がってきているため、開発フェーズの違いやジャンルの違いにもさまざま対応ができるようになってきました。メンバーの経験や強みを活かした提案ができるからこそ、サービスの品質も上がっていると思います。ゲーム業界においてはフリーランスで開発支援をするようなケースもありますが、一人ではなく、組織・チームとして開発課題に向き合っているため、プロジェクトの状況・課題共有など、チームにノウハウがたまっていくのが、SHIFTの強みでもあるとも思っています。
佐々木:なるほど、いまや、どんなお困りごともSHIFTまで!っていう感じですね!(笑)おふたりは具体的にはどのような支援をしていらっしゃるのですか?
小針:私は開発中・運用中問わずゲームタイトルの事業目標に沿った戦略立案や戦略に基づいた施策立案のサポートを行っています。例として事業目標とデータをもとに、プレイヤーにどういった遊び方でファンになってもらうか、というコンセプト部分から固めていき、それに必要な施策や機能をまとめたロードマップ作成のお手伝いをさせていただいています。
佐藤:私がいまメインで進めているのはIPの立ち上げで、いわゆるタイトルやゲームの立ち上げではなく、コンテンツを立ち上げるところに携わっており、コンテンツを形にしていくうえでのクリエイティブづくりと周辺のプロモーション、どう広げていくかの横展開も含めて担当しています。
経験がないと何から手をつければよいかわからない…というケースはよくある話で、まずはモチーフになっているコンテンツを立ち上げて、世界設定やどうしたらそのコンテンツやモチーフが面白くなるのか、モチーフの育て方や展開の仕方を検討しながら話を進めています。当たり前ですが経営層を説得していくうえではビジネス展開まで含めた話が必要ですので、そのようなところまでもサポートしているイメージです。
佐々木:コンテンツの立ち上げから開発・運用まで幅広くサポートされていて、とても幅が広いですね!!
ゲーム開発の中心にいれるような存在に。SHIFTで経験できる「新しいモノづくり」
佐々木:SHIFTはつねに成長をしつづけている組織だと思いますが、今後のビジョンをお伺いしてもよろしいでしょうか?
小針:まずは、ゲーム開発で困ったときにSHIFTを頼ってもらえるような立ち位置を目指していきたいのですが、中長期的には、開発に困っていなくてもSHIFTに相談がくるようにしたいと思っています。
SHIFTが提供できるさまざまな開発支援のサービスを通して、SHIFTと一緒にタイトルをつくると面白いものができると思っていただけるようになって、開発の中心 にいる存在を目指していきたいですね。
冒頭にお話しした通り、ゲーム開発はプロフェッショナルが集まってモノづくりを進めていくので「その人しかスキル・ノウハウがない」という状況になりがちです。事象は違えど、根本の課題は同じであることが多いため、SHIFTの強みである、「標準化」「仕組化」の考え方を活かしながら、開発課題を分解し、解決・推進していくことで、自社のなかだけでは解決しにくい課題に対してもアプローチができると考えています。
また、通常1本のタイトルを出すうえで3~5年かかることが普通なので、経験をつむためにかかる年数がどうしても長くかかりがちですが、SHIFT内においては経験が浅いメンバーであったとしても、SHIFT内のナレッジを活かすことでいまよりも難易度の高い業務にチャレンジし、成長スピードをはやめていくことが可能です。例え ばリリース直前のところで案件に参画し、リリースに向けてβテスト時のプレイヤーの反応やKPIを見てタイトルの方針を決断する一員になることも可能です。通常のゲーム会社ではこの業務に参画するにまでは、たしかな実績を積んでいないとチャレンジする機会すら得られません。もちろん大変な場面も多いですが、SHIFTではそれに伴ったスキルアップも実際に経験してみることでしか得ることができないと考えていますし、その経験を活かして、半年後には別のタイトルで前線を張るなど、短い期間で濃い経験を積んでいただけると思っています!
佐々木:短期間でさまざまな経験が積めて自身のキャリアに活かすことができるのは本当にSHIFTならではの強みですね。「新しいゲームづくりへの挑戦」ということで、いまのプランナーやPMの役割を担っているメンバーの方の経験の幅がさらに広がり、スキルアップもキャリアアップも倍速で進めることができるような環境をさらに整えていけたらと思いました!
本日は貴重なお時間いただきありがとうございました。