「入社される方のバックグラウンドとしては、 SIer出身者が60%ともっとも多く、次にコンサルファーム出身者、事業会社からとつづく印象です」
こう語るのはコンサルティング部でグループ長補佐を務めるMさん。
スムーズに環境に慣れ、ITコンサルタントとして活躍するための育成の仕組みやカルチャーはどういったものがあるのか。Mさんとともに、メンバーの二人が成長の実体験も語った。
ベンダー視点からお客様視点へ。SEからコンサルタントになるということ
M.K.さん
SEから転身される方が入社後に苦労されるポイントとしては、ベンダー視点の考え方を事業会社側にスイッチすることだと感じています。本来、コンサルタントは「お客様から見たら」を徹底し、お客様ならこう考えこう判断する、だからこの提案が必要だと考えることが自然とできなければなりません。
SEにありがちな「プロジェクトをスケジュール通りに進める」だけではない、コンサルタントとしての案件の向き合い方ができるようになるには、マインドを変えるしかない。これは一朝一夕には改善できないので、日々のフィードバックを私たちは非常に大切にしているんです。
上司とメンバーの毎日のコミュニケーションを密にとることは大切にしつつ、指摘の頻度は個人的にとても意識していることの一つですね。いい過ぎると本人も嫌な気分になると思うので、本人が自分で気づけるようコーチングしてきたいと考えています。
また、未経験でもコンサルタントとしてのスキルを身につけてもらえる仕組みの一つに勉強会があります。多いときで週1~2回、平均して月1~2回は実施しています。提案書の書き方や、論理的思考・クリティカルシンキング、事例紹介など。参加は任意で、当日予定がある場合は動画でのキャッチアップも可能です。

ちなみに「お客様の懐に入るには」というマインド系の勉強会テーマもありますよ。その意味では、スキルとマインドの両軸で育成をサポートする仕組みになっています。コンサル視点がもてるようになるには、はやい方で4~5ヶ月のイメージです。
不安のなかったNさんが、入社後に大変だと感じた二つのこと
N.M.さん
そもそも私が転職を考えた理由は二つあります。規模が大きい、レベルの高いお客様と接したかったこと、そして給与を上げたいという点です。
前職はクライアントが10~20名の小さな企業がメイン。提案を鵜呑みにされるシーンが多く、自分の成長を考えたときに刺激が足りないと思っていました。
企業規模が大きいプロジェクトであればステークホルダーが増え、知識レベルが高い方も多く参画されるだろうと。ちなみに給与を上げたいという点については、評価制度が明瞭で成果が絶対評価される点がSHIFTの魅力でしたね。
選考中に将来に向けた前向きな話ができたので、コンサルタントへのキャリアチェンジに不安はありませんでした。ただ実際に入ってみると、大変だった点が二つあります。
一つは、想定した以上に、社内メンバー含め圧倒的な経験と知識をもつ方々ばかりだったこと。
食らいついていくためにやったのは、過去に実施された勉強会アーカイブをすべて視聴したこと、そして社内検定の教材を用いた勉強です。「コンサルティング部お勧めリスト」に記載された本や、先輩から教えてもらった本も片っ端から読み、インプットしたらすぐに次のアウトプットで活かすということをしました。
実際のコミュニケーションでも、朝会・夕会だけでなく日中に疑問が出たら都度チャットで質問。レイヤーの高い上司であってもすぐに返信をもらえています。
もう一つ大変だったのは、SEだったころとの違いとして「お客様にとって痛いことでも伝えないといけない」という点。
ロジカルに伝えることはもちろんですが、大前提として信頼関係を構築しなくてはいけません。最初の3ヶ月は実際うまくいかず壁を感じました。
現在は週3日間、お客様の元で業務にあたっています。仕事以外の話をするなかで先方の社内事情がよくわかりますね。お客様の文化や風土に関わらず、プロジェクトの方向性を舵とりできるようになるには、オンサイトでの従 事は重要性が高いと感じています。
SEからのキャリアチェンジは間違っていなかったと思います。SE時代はRPAを担当していましたが、売り上げのために本来は必要性の低いお客様にも導入を促すこともありました。業務自体をやめる・アウトソーシング・フローを見直すといった解決策もあると考えており歯がゆさがありました。
本当にお客様の課題を解決するには製品に縛られるべきではないと個人的には考えていますが、SHIFTではそれができていますね。
今後の野望は、経営コンサルティングをやっていきたいなと。枠は小さく難関かもしれませんが、お客様の引き合いがなくとも自分で切り拓いていける人材になりたいですね。
不安だらけだったTさんが、入社半年で成長を実感できている理由
T.S.さん
私は前職で開発・保守といった下流行程に携わっていましたが、上流工程で主体的にプロジェクトの方向性を決め推進することがしたいと思い転職をしました。
SHIFTに決めたのは、一番「個人に向き合ってくれる」と感じたからです。選考を録画、その後の面接官から内容を踏まえた質問をいただき、しっかり見てくれているなと。ただはじめての転職でもあり、新しい環境に慣れられるか、お客様とうまくコミュニケーションとれるかなど、不安は尽きませんでした。
面接中からそのことは素直に伝え、「はじめのうちは自分だけで提案に行くことはない、フォローもするよ」とのことで何とかなるかと……実際その通りだったことに加え、驚いたのはフィードバックが都度・即もらえることです。お客様とのミーティング後、すぐに改善点やよかった点を指摘してもらえています。
前職でお客様と接する機会の多くなかった私には、Mさんがいった「事業会社視点にスイッチする」ことが入社後の最大の壁。マインドはもちろん、お客様宛の文書や資料作成についても指導してもらえるのは、本当に助かっていますね。
社内勉強会も「資料作成」のテーマは特に、コンサルタントして必要な部分を集約してくれているので実務に即役立ちました。「コンサルタントの基本編」というテーマのなかで学んだコンサルタントに必要なマインドセットについても印象に残っています。

個人に対する細やかなフィードバック、そして自主的に勉強が可能な仕組みがあるので、不安はとり越し苦労だったなと感じています。
入社して半年。できることが増えてきたように思います。特にお客様とのコミュニケーションでは自信をもってふるまえるようになってきました。前職で立ち止まっていたら、まだ開発だけをやっていたかもしれません。
今後は先輩を見習って「事業会社視点」をもった一人前のコンサルタントとして部に貢献できる人材になりたいですね。
コンサルタントの仕事は、どこまでいっても「人」だから
M.K.さん
個人的な考えではありますが、業務代行や名ばかりPMではない、本当のコンサルティングが行える組織であるためには、「何でもチャレンジしてみよう」「失敗しても素直に受け止めよう」という方が必要だと感じています。
そして「人のことを思いやれる人」。チームもお客様も結局は人ですから、相手が何を求めているのかを考えられることが非常に大切です。根底に人としての優しさをもち合わせている方と働きたいですね。
困っていることにちゃんと気づいたうえで、相手にとっては厳しいことでも伝える。その前提として相手が受け入れられるマインドになっているかが大事です。
できるだけ多くの人とのコミュニケーションを通じて、相手の人柄に合わせて温度感や距離感を図りながら「厳しいこともいえる関係づくり」ができるよう、メンバーには経験を積んでいってほしいと思っています。
特に若手のメンバーが早期に成長できるよう、ベテラン・中堅・メンバーの最低3名で案件に入ることや、80%ぐらいのエネルギーで日々の業務にあたれるようなアサインを進めたいと個人的には考えています。残り20%の余裕がないと勉強やインプットの余力がなくなりますから。